種別 | 論文 |
主題 | 打継ぎ用材料の塗布厚さと施工時期が新旧コンクリートの打継ぎ強度に及ぼす影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 辻幸和 (群馬大学) |
連名者1 | 森脇貴志 (日本化成) |
連名者2 | 田中浩一( 大林組) |
連名者3 | 小暮健(群馬大学大学院) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 381 |
末尾ページ | 386 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき 従来から、打継ぎ用材料としては、モルタル、セメントペーストあるいは湿潤用エポキシ樹脂などが用いられてきた。特に鉛直打継目においては、これらのいずれかを用いて施工することが、土木学会コンクリート標準示方書に義務付けられている。しかしながら、旧コンクリートの打継面にこれらいずれかを塗布した後は、直ちに新コンクリートを打継ぐ必要があり、鉄筋工や型枠工と競合し、施工の隘路となっている。この施工上の制約を解消するために、打継面に塗布してから新コンクリートを打継ぐまでの時間(以下、オープンタイムと称する)を充分長くとることができる打継ぎ用材料として、ポリマーセメントモルタルの研究開発がなされてきた。しかしながら、このような新しい材料を用いる場合には、施工誤差が生じたときの打継目の品質について把握する必要がある。本研究では、打継ぎ用材料として用いるポリマーセメントモルタルの塗布厚さとオープンタイムを要因にとり、鉛直打継目および水平打継目を有する角柱供試体を作製し、これらの曲げ強度を打継目を有しない場合と比較した結果について、検討を加えるものである。 まとめ ポリマーセメントモルタルを用いて、施工誤差が生じたときの打継目の品質について把握するため、塗布厚さおよび打継ぐ時期を要因にとり、鉛直打継目および水平打継目をもつ角柱供試体を作製し、これらの曲げ試験を行った。本実験の範囲内で、次のことが言える。1)塗布するポリマーセメントモルタルのフロー値が、旧コンクリートとの間をポリマーセメントモルタルが充分に充填し、付着面積を減少させない程度の大きさを有していれば、塗布厚さが10mmと規定値の5倍の厚さまで変化させても、打継ぎ強度に及ぼす影響はほとんどなく、3日間のオープンタイムをとっても充分な打縦ぎ強度が得られた。2)フロー値の小さいポリマーセメントモルタルを用いて塗布厚さを厚くすると、曲げ強度比で20%程度低下する場合があったが、これは塗布厚さを大きくすることが、直接的な原因ではない。この主な原因は、塗布厚さを厚くするとこて圧を充分にかけることが難しいため、旧コンクリートとポリマーセメントモルタルとの間にわずかな間隙が生じてしまうためと考えられる。3)旧コンクリートとポリマーセメントモルタルとの付着面積を減少させないであろうと思われるフロー値は、約190mmであると思われる。すなわち、フロー値が190mm以下のコンシステンシーを有するポリマーセメントモルタルをこてにより厚く塗布すると、旧コンクリートとポリマーセメントモルタルとの界面破壊に起因する打継ぎ強度の低下を生じる恐れがある。 |
PDFファイル名 | 013-01-1062.pdf |