種別 | 論文 |
主題 | 細粒分としての関東ロームを用いセメントを固化材とする事前混合処理盛土の流動性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 伊藤亜政(群馬大学大学院) |
連名者1 | 富岡良光(三井不動産) |
連名者2 | 辻幸和(群馬大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 451 |
末尾ページ | 456 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに 水中での盛土を前提としたセメントを固化材とする事前混合処理盛土(セメント系改良土)は、水中不分離性コンクリートと同様に、高い水中不分離性と優れた流動性が求められる。本研究は、特に流動性の優れた事前混合処理盛土を得ることを目的として、火山灰質粘性土の一種である関東ロームを細粒分として混合した場合の流動性状について検討したものである。流動性の増加あるいは材料分離防止の目的から粘性土を助材として用いた例は、ベントナイトの他に花岩スラリー、カオリン土などがある。しかしながら、これらの材料は、事前混合処理盛土の使用目的や要求される品質によっては高価であること、また入手しがたいことなどの問題点がある。これに対して、関東ロームは、安価で、入手も容易であり、流動性を得るために必要な粘性と保水性を併せ持っているが、これまで助材として用いられた例は見あたらない。流動性を高める助材としての関東ロームの適性が明らかになれば、事前混合処理盛土の適用範囲の拡大、および、人工軟岩などへの応用が期待される。関東ロームのなかでも、層序の最上層にある(最も新しい)立川ロームは、自然含水比Wnが80-140%と高く、土粒子問に多量の拘束水を持ち、保水力の高いことが大きな特徴である。この拘束水は、ロームの繰り返しにより自由水化すること、また、乾燥により失われ、再び水を加えても非常に長い時間を経なくては回復しないこと、そして、これらの性質は、火山灰質粘性土に固有な団粒構造と密接に関係していることがそれぞれ知られている。このような関東ロームの性質が事前混合処理盛土に及ぼす影響に関する検討についても、本研究では試みている。 まとめ 事前混合処理盛土の流動性の改善を目的に、関東ロームを細粒分として盛土に混合した場合の効果と関東ロームの性質に基づく問題点を室内試験により検討した。今回検討した試験条件の範囲で明らかとなった事項と考察を以下に示す。(1)関東ロームを混合することにより、盛土の流動性は改善される。(2)関東ロームを混合した盛土は、練り混ぜ時間の延長により流動性は改善され、練り混ぜによる悪影響は見られない。(3)盛土に混合される関東ロームの団粒が分解されるほど、盛土の流動性は改善される。(4)自然含水比の1/2以下まで乾燥したロームを混合すると、盛土の流動性に悪影響を及ぼす。(5)関東ロームを混合した盛土の強度は高くなるが、密度は減少する。(6)関東ロームを混合することによる盛土の流動性改善の要因の1つに、粒径が1.4μm以下の土粒子の影響が考えられる。(7)関東ロームを混合した盛土の適切な単位水量は、ロームの自然含水比との関連が高いと考えられる。 |
PDFファイル名 | 013-01-1075.pdf |