種別 論文
主題 コンクリートのマイクロ波特性値測定法に関する研究
副題
筆頭著者 太田福男(大同工業大学)
連名者1 斉藤辰彦(大同工業大学)
連名者2 柴田長吉郎(大同工業大学)
連名者3 午来俊晴 (大同工業大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
13
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先頭ページ 473
末尾ページ 478
年度 1991
要旨 はじめに
コンクリートのような透過減衰率の多い材料に対するマイクロ波特性値の測定方法は、きわめて難しく一般的な測定方法はいまのところ確立していない。コンクリートに比べマイクロ波損失量の少なく、しかも、粉体あるいは小さい断面(1cm×2cm)の導波管内に容易に設置することができる材料の測定方法については、インピーダンスを求める方法(以下、定在波法という)が一般的になっている。この方法は複雑な計算部分が図表化されており、ある限られた範囲の材料に対しては非常に便利である。コンクリートの場合、必要な値が図表外になることもしばしばあり、不都合なことが多い。このため筆者等は火害コンクリートのマイクロ波による劣化診断法に関する研究を遂行するにあたって、測定が簡易な測定方法として後述する直接法(一般的な呼称ではない)を用いてきた。最近になってこの直接法と定在波法では、同一のコンクリート試験体を用いても、マイクロ波特性の測定値がかなり異なり、しかも、両者の判定値の差異はコンクリートの種類によって大きくなるなど、一定の傾向があることが判った。この原因は、いまのところ不明である。本報では、この点を明らかにするために、直接法と定在波法との理論的整合性を検討し、次に実験結果に基づいて両者の測定方法(誤差)について検討する。
結論
マイクロ波測定法のうち、直接法と定在波法との理論的な整合性ならびにコンクリートのようにマイクロ波損失量の多い材料のマイクロ波特性の特徴について調べた結果をまとめるとおよそ次のようになる。(1)直接法の測定原理は理論的には定在波法の測定原理と一致し、整合性がある。(2)直接法はコンクリートの含水率、水セメント比などの変化を判定するために有効な減衰定数(α)、位相定数(β)は敏感に測定できるが、βの測定はおおよその値が既知の場合は正確に測定できるが、未知の場合は大きな測定誤差を含む可能性が高い。(3)定在波法αが直接法に比して鈍感であるがβの測定に対してはおおよその値は間違いなく測定できる利点がある。(4)一般的に材料の品質判定に使われる比誘電率(ε´)はコンクリートの水セメント比による品質変化には鈍感であるため、どちらの測定方法を用いても大差はない。
PDFファイル名 013-01-1079.pdf


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