種別 論文
主題 コンクリート中の鉄筋の腐食評価法について
副題
筆頭著者 大城武 (琉球大学)
連名者1 谷川伸 (東亜合成化学)
連名者2 後藤信弘(新日本製鐵)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 503
末尾ページ 508
年度 1991
要旨 はじめに
本研究は、亜熱帯海洋性気候下の沖縄県において、海岸に隣接して建設した暴露構造物を対象として、コンクリート中の鉄筋腐食のモニタリング法の開発について行っている。本暴露構造物は1984年9月に完成し、これまでの実験成果は発表済みである。本報文は1990年11月に行った新たな試験をもとに、その研究成果をまとめたものである。これまでの実験では、非破壊試験としてASTM-C876に示された自然電位法を用いて鉄筋腐食のモニタリングを行ってきたが、ここでは腐食速度の定量的な評価を行うことができる交流インピーダンス法を採用している。本手法では定電流2重パルス重畳方式を用いた計測装置と、2重対極式モニタリング法を用い、交流インピーダンス及び自然電位の測定を行なっている。また、鉄筋腐食の主原因と考えられるコンクリート中の塩分量の分析を行い、塩分量と電気化学特性値との相関について考察を行っている。さらに、鉄筋の腐食状況との対応を考えるため、鉄筋をはつりだして腐食面積率を計算し、上記の特性値との関係を論述している。
まとめ
本研究では暴露構造物を対象に交流インピーダンス法を適用した鉄筋腐食のモニタリング法を行い、また、塩分量の分析結果をもとに、鉄筋腐食の環境条件の検討を行っている。ここでは、以下の点が明らかとなった。(1)厳しい自然環境下においては、コンクリート中への塩分の浸透量は著しく多い。しかし、塗膜部では遮塩効果の有効性を表わしている。(2)無塩塗膜部での鉄筋の腐食面積率は軽微であり、塗膜による保護効果が現われている。この部位での分極抵抗値は大きく、鉄筋保護効果の定量的評価の可能性を示唆している。(3)分極抵抗と腐食面積率には相関があり、腐食程度を定量的に評価する一つの指標しての可能性が示されている。今後は分極抵抗に加えて、コンクリートの抵抗、自然電位、塩分濃度等を含めた統合的な評価方法の検討を行っていく予定である。
PDFファイル名 013-01-1084.pdf


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