種別 論文
主題 腐食モニタリングに関わるコンクリートの電気化学的特性
副題
筆頭著者 田村博 (日本建築総合試験所)
連名者1 永山勝(日本建築総合試験所)
連名者2 下澤和幸(日本建築総合試験所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 509
末尾ページ 514
年度 1991
要旨 はじめに
コンクリート中の鉄筋の腐食モニタリングのため、コンクリート表面で測定される電気化学的特性値(自然電位:E、分極抵抗:Rp、液抵抗:Rs)には、鉄筋表面の電気化学的特性値と、かぶりコンクリートの電気化学的特性値が関わっている。従って、精度の高い腐食推定を行うためには、両者の電気化学的特性値についての詳細な検討が必要であるが、特に後者についての研究は、これまでほとんど行われていない。本報は、コンクリートの電気化学的特性値のうち、液抵抗(cRs)と分極抵抗(cRp)についての検討結果を述べたものであり、コンクリートの水セメント比(W/C)、コンクリート中に含まれる塩化物量、含水率、コンクリートの厚さや電極の接触面積が、それらの電気抵抗に及ぼす影響を明らかにした。コンクリートとモルタルの違いについても検討した。
まとめ
今回の実験結果から、次のことがいえる。1)コンクリートの液抵抗や分極抵抗に及ぼす、水セメント比、コンクリート中に含まれる塩化物量、コンクリートの厚さや電極の接触面積の影響が明らかとなった。これらの結果を、腐食モニタリングの測定値の解釈にあたって、考慮する必要がある。2)コンクリートが安定した含水状態、特に飽水状態にある場合には、コンクリートの電気抵抗が非常に小さく、自然電位による腐食状態の推定のみならず、分極抵抗による腐食速度の推定も可能である(参考文献は、飽水状態で分極抵抗による腐食モニタリングが成功した例である)。3)コンクリートが不安定な含水状態にある場合には、例えば乾燥と湿潤が頻繁に繰り返される外壁コンクリートなどでの腐食モニタリングに際しては、コンクリートの電気抵抗などの電気化学的特性値の影響が大きいので、それらの影響を充分に考慮する必要がある。4)水セメント比や塩化物量が大きいコンクリートや粗骨材の少ないコンクリートでは、コンクリートの電気抵抗が小さくなり、腐食の電気化学反応においてコンクリート中の鉄筋が腐食しやすい環境であることが判る。
PDFファイル名 013-01-1085.pdf


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