種別 論文
主題 降雨により水分の供給を受けるコンクリートの中性化
副題
筆頭著者 佐伯竜彦(新潟大学)
連名者1 長滝重義(東京工業大学)
連名者2 大賀宏行(東京工業大学)
連名者3 高見浩之(新潟大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 609
末尾ページ 614
年度 1991
要旨 まえがき
コンクリートの中性化深さを予測することは、鉄筋コンクリート構造物の耐久性を考える上で非常に重要である。中性化深さの予測において最も確実な方法はコンクリート供試体を同じ環境下に暴露し、経時的に中性化深さを測定することである。しかし、中性化深さと暴露時間の関係式を回帰的に求めるには少なくとも3〜4材令の測定が必要であり、時間的には10〜20年程度の長期間を要する。このため、一般的には促進中性化試験が行われている。促進試験は二酸化炭素濃度を5〜20%とし、濃度と共に温度および湿度を一定に保持した条件下で行われる。この結果によって、中性化速度に及ぼす水セメント比、初期養生条件等の影響を評価する研究が数多く行われてきた。また、促進試験の結果から屋内自然暴露試験の結果を予測することも可能となっている。屋外に暴露されたコンクリートは屋内に比べ二酸化炭素濃度が低いことと共に雨による水分の供給で中性化の進行が遅いことが知られている。促進試験では試験開始から供試体が乾燥していくのに対し、屋外では水分の供給があるため促進試験と屋外暴露試験には中性化の機構に違いがあるものと考えられる。このため、従来の促進試験の方法で屋外暴露試験の結果を評価することは明らかに無理があるものと思われる。そこで本研究では、促進試験中に定期的にモルタル供試体に水分を供給する、散水促進中性化試験を行い、屋外に暴露されたコンクリートの中性化深さの予測法について検討を加えた。
結論
本研究は屋外で降雨によって水分の供給を受けるコンクリートの中性化速度を評価するためモルタル供試体を用いて散水促進中性化試験を行い、検討を加えた。得られた結論を以下に示す。(1)散水促進中性化試験を行ったモルタル供試体は通常の促進試験を行ったものにくらべ中性化の進行が著しく抑制される。(2)降雨により水分の供給を受ける環境下では、中性化速度におよぼす水セメント比および初期養生条件の影響は水分の供給を受けない場合に比べ小さくなる。(3)屋外自然暴露試験における中性化速度に対する配合および初期養生条件の影響を評価するには通常の促進試験より散水促進中性化試験を行った方が良い。(4)散水促進中性化試験の結果によって屋外自然暴露試験の結果を予測することができる。
PDFファイル名 013-01-1103.pdf


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