種別 | 論文 |
主題 | かぶりコンクリートの透気性に及ぼす繰り返し荷重と荷重履歴の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 氏家勲(宇都宮大学) |
連名者1 | 長瀧重義(東京工業大学) |
連名者2 | 佐藤良一(宇都宮大学) |
連名者3 | 佐藤勝則(宇都宮大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 623 |
末尾ページ | 628 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに コンクリート構造物のかぶりの重要な役割の一つはコンクリートの高いpHにより鋼材表面に不動態皮膜をつくることおよびコンクリートの密実さにより水分、塩分、酸素などの侵入を抑制することなどよる鋼材防食である。コンクリートのpHの低下は二酸化炭素が主因であり、コンクリートを密実にすることにより二酸化炭素の侵入を抑制することができる。したがって、かぶりコンクリートを密実にすることはコンクリート構造物の防食上極めて重要である。しかしながら、引張を受ける異形鉄筋周辺のコンクリートには、表面には現れない内部ひびわれが発生することが報告されており、この内部ひびわれによりかぶりコンクリートの密実性が低下し、透気係数が数100倍以上にもなる場合があることを著者らの研究で既に明らかにしている。一方、地震を受けたコンクリート構造物は構造的には相当な健全性を保つように耐震設計がなされている。ところが、地震荷重により使用状態よりも大きな応力が繰り返して鉄筋に生じれば、内部ひびわれの発生を助長し、かぶりコンクリートの密実性をさらに低下するものと考えられる。そこで、本研究は鉄筋の降伏点を越えない程度の中小規模の地震を受けたコンクリート構造物を想定し、弾性範囲内での繰り返しの荷重履歴を受けた鉄筋コンクリート部材の引張域のひびわれ間要素の透気試験を行い、かぶりコンクリートの密実性に及ぼす荷重履歴の影響を透気性の観点から検討した。 まとめ 1)常時鉄筋に生じている応力度より大きな応力度が生じる繰り返しの荷重履歴を受けた両引き供試体の透気係数は鉄筋径の違いによらずほぼ一定の割合で静的載荷時の透気係数から増加する。2)丸鋼を用いた供試体の透気係数は繰り返しの荷重履歴が作用してもほとんど変化しない。3)かぶりの大きい供試体は静的載荷による透気係数の増加は小さいが、繰り返しの荷重履歴よる透気係数の増加割合は大きくなっている。4)繰り返し荷重が透気係数に及ぼす影響はさほど大きくないが、過去に生じた最大鉄筋応力度の影響は、常時生じている鉄筋応力度が小さくなるにつれて大きくなる。5)数値解析の結果から、繰り返しの荷重履歴による透気係数の増加は主として過去の最大荷重によって生じた内部ひびわれゾーンの大きさの拡大よることが明らかとなった。 |
PDFファイル名 | 013-01-1106.pdf |