種別 論文
主題 RC桟橋の最適検査期間の一考察
副題
筆頭著者 松島学(東電設計)
連名者1 関博(早稲田大学)
連名者2 金子雄一(東電設計)
連名者3 松井邦人(東京電機大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 657
末尾ページ 662
年度 1991
要旨 はじめに
海洋構造物は塩害による劣化が問題となり、定期的な点検が必要である。構造物の耐用期間内に行われる険査回数は、その検査回数が多くなれば必要以上の検査費用が必要となり、逆に、その回数が少ないと構造物の重大な劣化レベルを見落とすことになり、多大の補修費用を用することになる。この問題は、検査費用と補修費用のトレードオフとなる。本研究は、対象をコンクリート構造のくい式桟橋とし、その定期点検の最適検査期間の間隔を期待費用最小の方法により求めるものである。くい式桟橋は、各構成部材の中でスラブが一番劣化が問題となることが想定される。そのため、スラブの最適検査期間の間隔を求めることが、他の構成部材の最適検査の間隔をも満足することが考えられる。ここでは、このスラブに注目して、桟橋の最適検査期間の設定手法を提案するものである。
最適検査の間隔
3.、4.で設定されたモデルを用いて、総期待費用最小の手法により最適検査の間隔を求めることとする。対象構造物の耐用期間は50年とした。検査費用Is、と劣化レベル4(補強または重大な補修)での補強費用1.0COとの比αを既往の実績からα=0.03とした。また、補修費用モデルの係数η(L)の値を表-4のように仮定した。「劣化防止・補修マニュアル(案)」によると、劣化レベルが小さい1、2では補修はしないものと考えており、ここでは補修費用は0.0とした。そして、劣化レベルが3、4、5とレベルが大きくなるにつれて指数的に増大すると考えた。劣化レベル5を越えると、建て替えるものとして、大きな費用が必要であると考えた。図-4に検査間隔2年の経過年数に対する検査費用と期待補修費用の異積値を示す。図より竣工後20年程度まではほとんど期待補修費用は必要ではなく、その後増加しているのがわかる。このように、ここで仮定した検査期間一定と考えるよりも、初めの20年は検査回数を20年以降よりも少なくすることにより、総期待補修費用の無次元量βTを少なくすることができる。βTと検査期間の関係を図-5に示す。さらに、同図には、検査費用と期待補修費用の累積値も示す。図にみられるように、全検査費用は検査回数が少なくなるにつれて小さくなり、逆に、全期待補修費用は大きくなる。この値の総和がβTであり、ピーク値が見られ、図では2年が最適検査期間の間隔となる。
PDFファイル名 013-01-1112.pdf


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