種別 論文
主題 ポリマーコンクリート埋設型枠を用いたRC部材の温泉地暴露試験
副題
筆頭著者 山崎竹博(九州工業大学)
連名者1 出光隆(九州工業大学)
連名者2 丸山巌(大分高専)
連名者3 渡辺明(九州工業大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 683
末尾ページ 688
年度 1991
要旨 まえがき
日本には多くの火山帯があり、温泉地は全国に分布している。温泉とは25℃以上の湧水1m3中に1g以上の無機化学物質を含むもので、陰イオンの種類によって重炭酸塩、塩化物泉、硫酸塩泉に大別される。そのうち、硫酸塩泉はセメントコンクリートの腐食に強く関与し、エトリンガイトの生成を伴う腐食劣化を生じることが知られている。このようなセメントコンクリートの腐食を防止するには硫酸イオンの浸透を阻止することが有効と考えられるが、温泉の湧水地では地中温度の高いことが多く、適切な防食材料の選定が難しい。本研究では硫酸塩の遮断にポリマーコンクリートパネルを使用することの有効性を実験的に検討した。ポリマーコンクリートはセメントコンクリートに比較して材料費が高いが、パネル状の埋設型枠として使用すれば、現場での型枠の製作が不要であることから、省力化、工期の短縮などによる総経費の節減が期待でき、防食材料としての適用が可能と考えられる。ポリマーコンクリートパネルによって保護されたセメントコンクリートはパネルが劣化又は剥離しない限り健全であると考えられるが、実際にはパネルとの一体性の喪失や目地からの浸水などによって腐食を生じる。本実験では、このような状況下での劣化過程を調査検討するため、別府明礬温泉で4年間の暴露試験を行った。以下にその結果を報告する。
まとめ
温泉地での硫酸イオンによるコンクリート腐食は、温泉水を遮断することによって防止できることが分かった。このとき、パネルとコンクリートとの一体性が特に重要であり、一体性が完全であれば、パネルからの浸水による腐食は局部に限られる。以下、4年間の暴露試験に関連して得られた知見について述べる。硫酸イオンは温泉水と共に浸透するがコンクリート中のカルシウムと反応し、コンクリートは表面より石膏化して腐食する。このとき、石膏層の先端には褐色層を形成する。硫酸イオンによる腐食は白色の石膏化以外に、空気を遮断された部分で黒色化を生じる。また、硫酸根の定着はコンクリートの材令が若いほど多く、腐食速度も早い。以上、ポリマーコンクリートパネルの埋設型枠への応用は省力施工を兼ねた有効な防食法と考えられるが、その使用樹脂の種類について更に検討が必要である。また、ポリエステルを用いたRECパネルは十分に樹脂の重合反応が生じるよう養生することが耐久性の面からも望ましい。
PDFファイル名 013-01-1117.pdf


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