種別 | 論文 |
主題 | 断熱養生したコンクリートの低温時における耐寒剤の効果 |
副題 | |
筆頭著者 | 寺田米男(北海学園大学) |
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キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 695 |
末尾ページ | 700 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき 最近の我々の耐寒剤を用いたコンクリートの研究は冬期間のコンクリート工事を容易にするための一端であり、養生設備を軽減し、さらに、積雪寒冷地における通年施工を促進し、工事の省力化を図ろうとするものである。コンクリートに耐寒剤を用いる場合は、現場において本格的養生上屋を設けて加熱養生を行わず、簡易な養生によって所定の強度、耐久性を得ようとすることを目的とすることが多い。今回の実験においては、入手容易な断熱材を用いてセメントの水和熱を有効に活用し、コンクリートを1日間(耐寒剤を用いないものは3日間)断熱養生し、その後は計画した低温で材令91日まで養生した性状のなかから強度を主体として試験した。その結果、単位セメント量300kg/m3程度の通常のコンクリートにおいても耐寒剤を用いてその効果を十分に期待できる。 まとめ 既報に引続き最近開発された2種類の耐寒材を用いたコンクリートの低温時の強度を中心とした実験を行った。今回の実験の特徴は加熱養生を行わず、セメントの水和熱を利用した断熱養生を行って強度を確保しようとしたものである。その結果をつぎのようにまとめることができる。(1)コンクリート打込み後の初期の断熱養生の効果は大きい。今回の実験では一部を除き断熱養生期間を1日としたが、少くともコンクリート温度を設定した低温に達するまで断熱養生すれば、耐寒剤の効果を十分にあげることができる。(2)打込み温度をできるだけ10〜20℃になるようにして耐寒剤の性能をあげるようにする。(3)0℃以下の低温養生ではコンクリートが凍結するので、封かん養生となるため(実際のコンクリート構造物に近い)、水中養生強度より低く、水セメントが小さいほどその傾向が大きいことを前提としなければならない。(4)耐寒剤を用い断熱養生を1日間行ったW/C=60%に相当する常用のAEコンクリートが初期凍害を防止するために必要な強度50kgf/cm2を得る期間は、設定温度0℃の場合は2日、設定温度-5℃の場合は3日、設定温度-7.5℃の場合は5日で達成できる。(5)(4)の調合コンクリートが材令28日で標準養生材令28日強度75%以上の達成を目標とする場合、設定温度0℃では可能であるが、-5℃、-7.5℃では不可能であり、春の温暖期まで待たなければならない。(6)耐寒剤を用いて断熱養生する場合、寒中コンクリートの期間は現行のJASS5の積算温度370°D・D(平均温度3.2℃)から280°D・D(平均温度0℃)まで短縮できる。 |
PDFファイル名 | 013-01-1119.pdf |