種別 | 論文 |
主題 | 凍結融解を受けるコンクリートの変形挙動に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 坂本守(間組) |
連名者1 | 村上祐治(間組) |
連名者2 | 山下英俊(間組) |
連名者3 | 喜多達夫(間組) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 715 |
末尾ページ | 720 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき コンクリートの凍害に関する研究は、現在までに多くの要因についてさまざまな角度からの検討がなされ、多くの成果が挙げられている。なかでも凍結融解抵抗性に対する配合、空気量、飽和度、気泡間隔係数などの影響についてはかなりの研究成果が蓄積されてきている。一方で、科学技術の発展と共にコンクリートが低温下に供せられる頻度も多くなってきている。例えば、LNGタンクや寒冷地開発に関連した構造物等が低温下にさらされることは明らかであるし、超伝導が実用化されれば、その周囲のコンクリートは同様に凍結作用を被ることになる。このような状況を考慮すれば、コンクリートの凍結融解抵抗性を定量的かつ客観的に評価する手法を確立する必要性があり、その為には各要因が凍結時にコンクリートの挙動にどのように影響しているのかを定量的に把握する必要がある。また各要因によってコンクリートの挙動を表現できれば、コンクリートの耐凍害性の定量的な評価に大きく貢献するものとなり得る。本研究は、基本的な配合のコンクリートによる凍結融解試験結果を基に、温度降下時における凍結メカニズムを考案するとともに、各種要因を用いてひずみの変化を表現することを目的としている。 まとめ 今回提案したひずみ予測式によって空気量や気泡間隔係数の異なるコンクリートのひずみ挙動を概略再現できることがわかったが、現段階ではデータ数も少なく、予測式の改良やそのほかの要因を加える必要がある。しかし、今回の予測式に関する基本概念の方向性は、従来議論されてきた凍結融解のメカニズムに忠実に従うものであり、さらに検討を重ねることによってその予測精度をあげ、また普遍的に適用できる予測式が形成されていくと思われる。コンクリートの凍害に関連するとされている因子は予測式で用いたもの以外にも凍結速度、飽水度、骨材の品質等多岐多彩にわたっており、それらを全て用いて評価することは現実には非常に困難な場合が多いが、現在までに多くの研究者によって蓄積されてきたデータからそれらの要因の中でコンクリートの耐凍害性を大きく支配するであろう要因とその影響についてはかなり明かなものになっている。従って、それらを合理的に組み合わせることによってコンクリートの凍結融解抵抗性をその材料特性や環境要因から推測することは近い将来可能になると考えられる。そのためには今後も体系的な実験を重ね、そのデータベースをもとにコンクリートひずみ挙動の追跡方法や、耐凍害性の予測手法を確立させることが望まれる。 |
PDFファイル名 | 013-01-1123.pdf |