種別 | 論文 |
主題 | 凍害を受けるコンクリートの凍結水量の算定方法と耐凍害指標値の提案 |
副題 | |
筆頭著者 | 山下英俊(間組) |
連名者1 | 村上祐治(間組) |
連名者2 | 吉川弘道(武蔵工業大学) |
連名者3 | 田中典明(東京電力) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 729 |
末尾ページ | 734 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき 凍結融解を受けるコンクリートの劣化は、降下温度、凍結速度、飽水度、凍結融解回数などの構造物の受ける環境(外的要因)ならびに、圧縮強度、空気量、細孔径分布、気泡間隔係数などのコンクリートの材料特性(内的要因)に大きく影響される。これは、主にコンクリート中の水が凍結しコンクリートが膨張するためで、さらに常温と低温の繰り返しを受けることによって、膨張と収縮を繰り返し、内部組織が緩むことが原因となっている。本研究では、コンクリートの微細構造を表す細孔径分布と氷点降下に着目して、降下温度に伴う凍結水量を算出すること、ならびに凍結要因のうちの圧縮強度、気泡間隔係数、全細孔量、凍結水量を組み合わせることにより、コンクリートの耐凍害性を評価し得る耐凍害指標値βを提案するものである。さらに、促進凍結融解試験結果と対応することによってこの提案方法の適用性について検討を加えることとする。 あとがき コンクリートの細孔中の水は凍結することにより9%の体積膨張を生じ、内部に膨張圧を生じさせるため、凍結水量はコンクリートの劣化を直接的に表す要因と考えることができる。一方、それに対抗する材料特性は、圧縮強度や膨張圧を緩和させる空気量や気泡間隔係数などが挙げられる。従って、これらの諸数値を合理的に組み合わせることにより、コンクリートの耐凍害性を定量的、客観的に評価し得ると考えられ、本研究では、耐凍害指標値βとして提案している。本提案手法はまた、氷点降下や細孔径分布などの一般的に認知された要因を忠実に組み合わせたものであり、大きな仮定条件を含むものではなく、試験値の適用結果からも本提案式が凍害による劣化度を評価できる指標値として十分可能性をもっていることが分かる。しかし、コンクリートの耐凍害性は複雑かつ多くの要因に支配されているので、今後より信頼性が高く、簡便で実用的な指標とするためには、より多くの実験値への適用が必要となってくる。 |
PDFファイル名 | 013-01-1126.pdf |