種別 | 論文 |
主題 | FRP緊張材の引張試験方法に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 出光隆(九州工業大学) |
連名者1 | 山崎竹博(九州工業大学) |
連名者2 | 原田哲夫(長崎大学) |
連名者3 | 吉岡民夫(オリエンタル建設) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 795 |
末尾ページ | 800 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき 四方を海に囲まれたわが国のコンクリート構造物は、環境次第ではコンクリート中に塩分が浸透し、鋼材腐食が問題となることが多い。そのため、鋼材に代わる補強材として炭素繊維、アラミド繊維などハイテク繊維の利用が図られている。筆者らは、FRPロッドの、PC用緊張材としての利用に焦点を当てて研究を進めているが、現時点で、実用上、最も大きな問題点はロッドの定着方法にあると考えられる。PC鋼材と同じ方法では定着部で破断する可能性が高い。そこで、筆者らはFRP緊張材を挿入した鋼管中に定着用膨張剤を注入し、その膨張圧で緊張材を定着する方法を開発した。膨張圧は液圧的に作用するから応力集中が少なく、簡単な作業によりソフトタッチで確実な定着が可能である。その上、材料費が極めて安価である。以下、同定着方法を用いて実施した炭素繊維およびアラミド繊維FRPのPC緊張材としての引張試験方法とその結果について述べる。また、プレテンションPCはり中でのFRP緊張材の疲労強度についても言及する。 まとめ 本研究で得られた結果は以下の通りである。1)市販の鋼管と定着用膨張剤を用いる実用的なFRP緊張材の引張試験方法を提案した。今回は目標膨張圧をやや低めに設定したため、定着部で付着破壊したものが生じた。改善策としては、目標膨張圧の割増し、定着長の増大、テーパー管の使用など適切な方策を構じれば、FRP緊張材が定着部で抜け出すことはないものと考えられる。2)CFRPより線(7本よりφ12.5mm)の引張試験では、引張破壊した26本分の実測破断荷重から求めた保証破断荷重(平均値-3σ)はメーカーの値とほとんど等しくなった。また、変動係数は3%程度の値であった。3)組紐状AFRPロッドの場合、引張破壊した32本の破断荷重から求めた変動係数は11.1%となり、バラツキがやや大きいようである。その原因として、製造方法がバッチ式であったことがあげられる。4)せん断ひびわれを有するPCはり中での、炭素繊維FRPより線の疲労強度は単体の引張疲労強度より若干小さくなるようである。 |
PDFファイル名 | 013-01-1138.pdf |