種別 | 論文 |
主題 | RC部材の鉄筋応力度とひびわれ幅におよぼす温度応力の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐藤良一(宇都宮大学) |
連名者1 | 氏家勲(宇都宮大学) |
連名者2 | 丸山明紀(宇都宮大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 857 |
末尾ページ | 862 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき マッシブな鉄筋コンクリート(RC)構造物のひびわれ制御技術の1つとして、ひびわれの発生を認め、生じたひびわれの幅を制御する考え方が定着しつつある。これを反映して、最近では温度ひびわれ幅の予測方法に関する研究が活発に行われるようになった。一方、LNG地下タンク底版やマットコンクリートなどのような層状に打設される大断面のRC構造物では、水和熱による温度応力の履歴を受けた後に荷重を受けることになるが、その場合の力学的特性やメカニズムが必ずしも明らかにされていないことも手伝って、設計上この温度応力の影響が考慮されることはないように思われる。このような観点から、筆者らは温度ひびわれを有するRCはり部材の力学性状を実験的に検討した。これによりひびわれ幅が荷重を受けた場合にも残留する傾向は確認できたが、載荷実験時の拘束が小さかったため、他の性質におよぼす温度応力の影響は不明確であった。そこで本研究は、上記の問題点を踏まえ新たに2層に打設されるRCはりモデルを用い、そのはりの2層目に打設される部分に実際に即した温度履歴を与えることによって温度ひびわれを発生させ、さらにこの温度ひびわれを有するRCはりの載荷実験を実施することによって、温度応力および温度応力と荷重によって生じるひびわれ幅、鉄筋応力度、部材断面内のひずみなどの挙動を明らかにすることを目的とする。 まとめ 2層に打設されるRCはりモデルを用い、2層目に実構造物に即した温度履歴を与えて温度ひびわれを発生させ、その温度ひびわれとそれを有するRCはりの諸性質について実験的に検討した結果、本研究の範囲内で得られた主な結論は以下のとおりである。1)温度ひびわれ発生前では被拘束体および拘束体各々の断面内ではひずみは直線分布するが、両者の接合面ではひずみの不連続性が認められた。温度ひびわれ発生後では拘束体と鉄筋の間にはひずみの直線性は認められない。しかし、荷重によって生じた拘束体圧縮部と鉄筋のひずみの間にはおおむね直線性が認められた。2)鉄筋応力度およびひびわれ幅には、荷重の作用後も少なくとも拘束体にひびわれが発生するまでは、温度応力の影響が明らかに認められる。拘束体にひびわれが発生した後も、ひびわれ幅については、実測値は土木学会の計算値より最大で0.14mm大きく、温度応力の影響の可能性のあることが認められた。 |
PDFファイル名 | 013-01-1149.pdf |