種別 | 論文 |
主題 | 地下連続壁のコンクリート打込み時の側圧に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 万木正弘(鹿島建設) |
連名者1 | 坂田昇(鹿島建設) |
連名者2 | 岩井稔(鹿島建設) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 899 |
末尾ページ | 904 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに 一般のコンクリート工事における側圧は、打上り速度及び凝結時間あるいはコンクリート温度に大きく影響されることから、多くの指針類では側圧を打上り速度とコンクリート温度の関数として与えている。地下連続壁のコンクリートについても、このような算定式を用いて側圧をある程度予測できることを示した報告もあるが、地下連続壁のコンクリートは通常でスランプ18〜21cm、打上り速度も3〜10m/hと一般のコンクリート工事と比較して条件的にかなり異なっている。さらに最近では、地下連続壁の大型化や高品質化からスランプ24cm以上の高流動コンクリートの使用が検討されているが、それらのコンクリートは高流動性を長時間保持する関係上、凝結時間は始発で10〜40時間と一般的なコンクリート(3〜6時間)に比較してかなり長くなり、側圧もそれだけ大きくなることが予想される。地下連続壁のコンクリートの側圧に関しては、今まではこれを実験室で再現することが難しく、実際の工事で実測する以外に検討する手段がなかったため、そのメカニズムや各種要因の影響など不明な点も多かったが、いくつかの実測のデータによれば側圧は打込み後2〜4時間で最大値を示し、その値は5〜15tf/m2と、打上り速度と凝結時間から予測するよりもかなり小さくなることが示されていた。その原因として、地下連続壁の工事では上部に打込まれたコンクリートの自重よって下方のコンクリートが加圧脱水され圧密されるために、比較的早い時期にコンクリートが自立することが考えられた。そこで、これらの挙動をシミュレートできる試験装置を考案・開発し、実際の施工で計測された側圧と比較検討した結果、この装置を用いることにより側圧の最大値をかなりよい精度で推定できる可能性を示した。今回は、当装置の適用性についてさらに検証するとともに、高流動コンクリートを用いた地下連続壁の側圧に関し、各種要因の影響について検討した。 まとめ 地下連続壁に高流動コンクリートを用いる場合の側圧を評価するために、モデル試験装置を用いて側圧の予測を行い、側圧に影響を及ぼす要因について検討した。その結果、今回の検討範囲で明らかとなった事項を以下に示す。1)著者らが開発したモデル試験装置によって、地下連続壁として実際にコンクリートを打上げた場合の側圧を予測できる可能性があることを示した。2)地下連続壁のように、凝結時間が長いコンクリートを用いて打上り速度が速い条件における側圧の最大値は、側圧が最大値に達するまでのコンクリート中からの排水量に関係し、排水量が多いほど側圧が小さくなる傾向にあった。3)著者らが開発したモデル試験装置によると、排水量は打上り速度にかかわらずほぼ一定の量であった。 |
PDFファイル名 | 013-01-1156.pdf |