種別 | 論文 |
主題 | メタルラス及びエキスパンドメタル型わくを用いたコンクリートの性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 浦憲親(金沢工業大学) |
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連名者2 | |
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キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 929 |
末尾ページ | 934 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに 最近、コンクリート表層部の改善、高品質化、高耐久性を目的とした各種の透水性型枠が注目されている。透水性型枠は、フレッシュコンクリート中の余剰水排出を促すことにより、密実なコンクリートを得ようとするものであるが、これは同時に、水セメント比の低減、ブリージングに伴う各種弊害の軽減にも寄与し得るものと考えられる。ここで扱うメタルラス及びエキスパンドメタル型わく(以下、2種類同時に表す場合ラス型わく材と称す)は、前述の余剰水排出はもとより、一部セメントペーストをも漏出する。また、コンクリートの打込み面以外のコンクリート面が、外気に触れると言う問題がある。そのため耐久性の見地から、これらの型わくの適用部位は地中部分が望まれるとしている。しかしながら、これらの型わくを使用することにより、その加工、組立及び解体作業が省略または削減できることから、建築現場での労働力不足と相まって、今後は地上構造部位への普及も考えられる。本研究はメタルラス、エキスパンドメタル及び合板を用いて、それぞれ実大供試体用型わくを製作し、それに打込まれたコンクリートの性状及び当該コンクリートから切り取ったコア供試体の性質について実験的に検討したものである。 結論 メタルラス及びエキスパンドメタル型わくを用いたコンクリートについて、得られた結果を要約すると以下の通りである。1)ラス型わく材では、打込みコンクリート量の約3%が余剰水、セメントペースト及びモルタルとして漏出する。漏出したコンクリートの圧縮強度は、メタルラスよりもエキスパンドメタル型わくが上回るが、標準供試体よりも下回る。2)実大供試体のセパレーターの引張りひずみ及びコンクリート温度は、打込み10時間で最大で、メタルラス、エキスパンドメタル及び合板と型わくの剛性の高い順に大きくなる。コンクリート温度は、ラス型わく材が合板型わくに比べて、打込み初期で4℃以上低くなる。3)コア供試体の中性化深さは、壁と床スラブで差がなく、エキスパンドメタル、メタルラス及び合板型わくの順に大きくなるが、中性化の傾向は型わく材料によって異なる。塩化物イオン浸透深さは、壁の場合、型わく材の違いによる差を生じないが、床スラブの場合、同一型わく材の壁よりも約2〜3倍深くなる。総細孔量は、合板型わくよりもラス型わく材が約8%小さくなる。細孔量は、合板型わくでは下層ほど多いがラス型わく材を用いると中層が最低となる、圧縮強度は、漏出したコンクリート及び推定圧縮強度よりも20〜30%上回る。スランプ18cmのコンクリートの品質は、ラス型わく材を用いても合板型わくと同等かそれ以上であるが、ラス型わく材とボイド管を併用する場合、強度以外の評価基準が必要である。 |
PDFファイル名 | 013-01-1161.pdf |