種別 論文
主題 RCアーチ橋における非線形解析
副題
筆頭著者 上田芳夫(阪神高速道路公団)
連名者1 幸左賢二(阪神高速道路公団)
連名者2 若狭忠雄(新構造技術)
連名者3 松尾法弘(新構造技術)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 115
末尾ページ 120
年度 1991
要旨 まえがき
近年コンクリート構造物の非線形解析についての研究が進んでおり、昭和61年改訂土木学会コンクリート標準示方書でも限界状態設計法に移行する方向となっている。従来、構造物の破壊耐力のみに着目していたが、限界状態設計法においては構造物全体系の終局耐力を明らかにする必要があり全体系のより詳細な破壊形態を把握する必要が生じている。不静定構造物の挙動は構造物にクラックを生じた後、線形解析とはかなり異なった形態となる。即ち鉄筋の降伏後塑ヒンジが発生しその回転能によりモーメントの再配分が生じ、構造物全体の破壊耐力は増加する。前述のコンクリート標準示方書では限界状態設計法が取り入れられ線形設計を行う場合でも回転能があればモーメントの再配分として支点モーメントの15%以下を考慮してよいこととなっている。諸外国ではすでに10年以上前から限界状態設計法が実施されており、モーメントの再配分の考え方が取り入れられている。アーチ構造は不静定次数の高い構造物でありモーメント再配分の影響が大きいと考えられることから、現在橋梁計画中のスパン150mのアーチ橋モデルを対象として非線形解析により構造系全体の破壊耐力、モーメント再配分率およびじん性等を検討した。また、アーチ橋は軸力の支配的な構造物であることから軸力の変動も考慮した。
まとめ
コンクリートアーチ橋において非線形解析を適用した結果をまとめると以下のようになる。1)地震作用時解析結果は設計基準荷重に対して2.2倍程度の耐荷力を持つ。また活荷重半再載状態に対しても13倍程度の非常におおきな耐荷力を持つ。2)線形解析との対比によるとモーメントの再配分効果により非線形解析結果は30−50%程度の耐荷力の増加が見込まれる。3)本橋のアーチリブはRC部材であるが設計強度を400kg/cm2高めることにより十分な耐力持ちながら断面の減少を図れることが明らかになった。4)通常のアーチ部材においては終局荷重に近づくにつれて軸力が減少し耐荷力を減少させる可能性があることから、非線形解析の適用にあたっては軸力変動を考慮することが望ましい。5)本解析では分割長および鉄筋ひずみ硬化等により10%耐荷荷重が変動する可能性を示しており、今後特に分割長の取り方についてさらに検討する必要がある。
PDFファイル名 013-01-2016.pdf


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