種別 | 論文 |
主題 | 軽量コンクリートの押抜きせん断耐力 |
副題 | |
筆頭著者 | 石川達夫(佐賀大学) |
連名者1 | 山内直利(佐賀大学) |
連名者2 | 徳光卓(富士ピー・エス) |
連名者3 | 長谷川清一(富士ピー・エス) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 2 |
先頭ページ | 225 |
末尾ページ | 230 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに 近年、交通量の増大にともない既設橋梁床版の損傷が多くみられてきており床版の打替えが急増している。しかし、これらの橋梁は架橋年次が古いことから現在の荷重に対して耐荷力が不足しているケースが多い。打替えに用いる床版には鋼床版、鋼コンクリート合成床版、プレキャストPC床版など自重の軽減を図ったものが多くみられる。コンクリート床版は耐食性に優れ、維持管理面で有利であるが軽量化という点では劣ることになる。コンクリート床版の軽量化という点で代表的な方法として、人工軽量骨材の使用、プレストレスの導入による部材厚の減少などがあげられる。人工軽量骨材を用いたコンクリートでは、普通コンクリートに比べて15〜25%の軽量化が可能となるが、ヤング係数、引張強度の低下などが問題となる。本研究では、引張強度が問題となるスラブの押抜きせん断耐力を取り上げ、人工軽量骨材を用いたPCスラブの押抜きせん断耐力試験を行い、それらの特性を調べた。 考察 スラブの押抜きせん断耐力に影響する因子としてはコンクリートの強度が挙げられる。せん断耐力はコンクリートの引張強度に支配されると考えられ、引張強度は圧縮強度の平方根に比例するので押抜きせん断耐力の式は、一般にその項を含む式となっている。さらに主鉄筋のほぞ効果、降伏強度などの項を含んでいる。押抜きせん断破壊を示した押抜きせん断実験にこれらの式を適用するには鉄筋が破壊断面にまったく配置されていないため難しい。また、今回の実験のように普通コンクリート、軽量コンクリートを用いると圧縮強度は同じでも引張強度に差がある場合は、さらに適用が難しい。実験結果より得られたことを、以下に述べる。1)軽量コンクリートの押抜きせん断耐力は、普通コンクリートのそれと比較すると10〜20%程度減少する。普通、軽重、軽軽の順であり、引張強度の差にほぼ比例している。2)プレストレスを導入することにより、押抜きせん断耐力を増加することができる。3)プレストレス量の増加の押抜きせん断耐力に及ぼす影響は、曲げ、引張強度の小さい軽量コンクリートの方が大きい。4)押抜きせん断によるスラブの破壊形状は、プレストレスを導入したスパン方向を長軸とし、その直角方向を短軸とする楕円錐状であった。5)この破壊は、普通コンクリートでは、粗骨材とモルタルの剥離、軽量コンクリートでは、人工軽量骨材そのものの破断がみられた。6)上記のことを理解しておけば、人工軽量骨材を用いた軽量コンクリートスラブを実用に十分使用できると考える。 |
PDFファイル名 | 013-01-2035.pdf |