種別 論文
主題 鉄筋コンクリート床スラブにおける引張鉄筋の経時的な抜出し算定式に関する実験的検討
副題
筆頭著者 岩原昭次(熊本工業大学)
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キーワード
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先頭ページ 231
末尾ページ 236
年度 1991
要旨 はじめに
従来、引張鉄筋の抜出しは、柱・梁接合部の定着部等に対する大変形あるいはひびわれ時でのより精密な力学的挙動を論じる際に考慮されることが多く、例え、ひびわれが生じていても変形が比較的大きくないような場合主要な影響要因としては評価されていなかったようである。しかしながら、近年の鉄筋コンクリート床スラブ(以後、単に、RC床スラブと略す)で端部にひびわれを生じる場合既往の実験結果や解析資料等の蓄積により、コンクリートのクリープや乾燥収縮は勿論のこと、スラブ端部の引張鉄筋の経時的な抜出しも経時的なたわみ増大の主要因の一つであることが認められてきている。しかしながら、RC床スラブの経時たわみを対象にした引張鉄筋の抜出しに関する具体的な実験資料は少なく、その定量的な評価については余り明確になっていない。スラブ端部引張鉄筋の抜出しについては、これを力学的なモデルで表すと、片引きあるいは両引き試験体の引き抜き問題として扱うことができる。そこで、先の論文では、付着応力−すべり関係(τ−s関係)の経時的変化(即ち、付着クリープ)に関連するとし、引張鉄筋の経時的な抜出しは、この時間を考慮したτ−s関係の基本式に立脚した計算法で評価できることを示した。更に、前報では、より合理的でかつ簡単に評価できる巨視的なbi-linear型のτ−s関係を得るための算定式を示すと共に、瞬時での端部引張鉄筋の抜出しを考慮したRC一方向床スラブの力学的問題の解析方法を示した。本論文は、前報で示した瞬時での鉄筋の抜出し算定方法と、先の論文で示した経時的な抜出しの評価方法とをまとめ、この算定方法の妥当性を実験的に検討したものである。なお、経時的な抜出しの計算方法に有効弾性係数法を用いている。
まとめ
1)本論文で提示した引張鉄筋の経時的な抜出しの算定方法はある程度実用上評価できる。2)実験結果から、片引き及び両引き試験体とも、載荷直後から経過日数1日までの抜出しの増加量は無視できないほど大きいことがわかる。また、抜出しの経時的な増加量には乾燥収縮による影響の占める割合がt=1〜61日の場合で5割以上であり、かなり大きい。
PDFファイル名 013-01-2036.pdf


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