種別 | 論文 |
主題 | 軸変形に基づく地震時における柱の「水平変形限界点」の提案 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐藤孝典(清水建設) |
連名者1 | 鈴木計夫(大阪大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 2 |
先頭ページ | 363 |
末尾ページ | 368 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに 建築構造物の最下層柱は、大地震時には多くの場合降伏する。とりわけ、最下層柱の破壊は構造物全体の崩壊につながる。そういう意味で、柱の水平変形限界点を見出すことは重要である。現行の設計では、水平変形能力の一つの指標として、RC部材では最大耐力の80%耐力低下時の変形量、S部材では最大耐力の95%耐力低下時の変形量というように構造種別(RC、SRC、S、CFT等)によって異なっているが、その物理的根拠はあまりない。RC及びPRC梁を対象として、鈴木等によってM−Φ関係における「限界曲率」が示され、小柳等によってそれのエネルギー的解釈がなされた。そして、平石等がそれをRC柱に拡張し、部材全体の「総吸収エネルギーの変化点」を示した。しかしながら、いずれの指標点もその部材(梁または柱)本来の機能維持限界に根源を見出すものではない。本来、「柱」の主たる機能とは、繰り返し水平力を受けながらも軸力を支持することである。また、構造種別によらない同一の機能である限り、統一した思想に基づく水平変形限界点の定義をすべきである。柱が地震力を受けた場合、コンクリートの圧潰や鋼材の局部座屈によって有効な柱断面積が減少して、徐々に軸変形が進行し破壊に至る。そこで、本論文においては、1)いかなる構造種別であっても破壊の兆しとして、軸変形の急増現象が存在することを実験データで示し、2)それをシミュレートする弾塑性解析法を示し、3)解析的に求まる保有軸耐力という概念を導入して、軸変形の急増点に基づく水平変形限界点の見出し方を示す。(注)RC:鉄筋コンクリート構造、SRC:鉄骨鉄筋コンクリート構造、S:鉄骨構造、CFT:充填鋼管コンクリート構造 まとめ 柱部材の機能は、本来、軸力を支持することである。したがって、水平変形限界はその機能維持限界に根源を見出すべきであり、また構造種別(RC・SRC・S・CFT等)によらない統一した思想に基づくべきである。そこで、本論文においては、各種構造の実験データをもとにいかなる構造種別であっても、破壊に至る兆しとして“軸変形の急増現象”が存在することを示し(3章)、それをシミュレートする弾塑性解析法を示し(4章)、“保有軸耐力”という概念を導入して(5章)、軸変形の急増点に基づく“水平変形限界点”の見出し方を示した(6章)。 |
PDFファイル名 | 013-01-2059.pdf |