種別 論文
主題 ブレース付き鉄筋コンクリート骨組の耐震性能に関する研究
副題
筆頭著者 福原安洋(呉工業高等専門学校)
連名者1 嶋津孝之(広島大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
13
2
先頭ページ 577
末尾ページ 582
年度 1991
要旨
鉄筋コンクリート骨組の耐震性確保のためには、大地震において、耐力だけでなく、層間変形角(δ/h)>1/100が、必要と考えられる。また、著者らは、これまでの研究で、鉄筋コンクリートブレース付き骨組で、その降伏形が、引張り側柱降伏形(耐震壁の場合の曲げ破壊に相当)の場合には、耐震壁に以上の耐震性能を有すること、また、鉄筋コンクリート圧縮ブレース部分が降伏する形式(耐震壁のスリップ破壊に相当)の場合は、圧縮ブレースの圧壊により致命的なタメージを受けるため、靭性能力に乏しいこと、を明らかにしてきた。一方、圧縮力に抵抗しない鋼ブレースを用いることも考えらえるが、この場合は筋違の降伏伸びに伴う緩みのため、履歴ループがスリップ形になるなどの欠点が予想される。そこで、本研究では、圧縮力を負担するブレースに、できるだけ変形能力を持たせることにより、フレームの耐震性の向上を目指すことを目的として、模型実験により、各種ブレース部材を有するフレームの耐震性能について、および、耐震壁との違いについて検討した。
結論
本研究の結果、ブレース付き骨組について、次のことが明かとなった。1)降伏時の耐力と変形量は、ブレース部分のコンクリートの圧縮強度およびその時の歪度の大きさにより決まる。2)終局時の変形能力は、ブレースの圧縮変形能力により決まり、圧縮ブレースを鋼管拘束したり、スリットを用いることにより、終局層間変形角を1/100、以上にする事ができる。3)塑性率は、柱、あるいは、圧縮ブレースの圧縮応力度の程度に反比例するが、今回の実験では、圧縮ブレースの変形性能向上の工夫により、塑性率を向上させ得ることを示した。4)鉄筋コンクリートブレース材を用いた骨組の降伏以後の等価粘性減衰定数は、式(2)により、推定できる。5)ブレース部材に鋼管、あるいは鋼管拘束部材を用いたものは、ブレース部材の鋼材(鉄筋も含む)の伸縮によるエネルギー吸収効果が大きく、等価粘性減衰定数が特に大きい。6)耐震壁に比べると、次のことがいえる。(1)最大耐力およびその時の変形において勝る。(2)降伏後のheqが大きい。(3)塑性率の改良が可能である。7)ブレース交差部の鋼材の座屈防止について、改良することより、靭性をより一層増すことが期待できる。
PDFファイル名 013-01-2096.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る