種別 | 論文 |
主題 | コンクリート打ち継ぎ面の簡易型一面せん断試験 |
副題 | |
筆頭著者 | 塩原等(建設省) |
連名者1 | 佐薙幸史(長谷工コーポレーション) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 2 |
先頭ページ | 653 |
末尾ページ | 658 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに プレキャストコンクリート接合部のコンクリート打ち継ぎ面の設計は、打ち継ぎ面に垂直な応力を加えない条件での一面せん断試験の結果に基づいてせん断力について強度設計し、強度が不足すれば補強筋やシアキーを増やしていくという設計コンセプトに基づいてきた。しかし、架構式プレキャストコンクリートの梁端部の危険断面での打ち継ぎ面などでは、部材実験によって一体打ちに近い性能を有することが経験的に知られてきており、既往の設計法の適用範囲を越えた大きなせん断力に対する抵抗機構を有していると考えられる。このように、打ち継ぎ面のせん断応力度が著しく高くなる部分の設計には、この設計コンセプトに基づく接合部設計法はあまり有効ではない。この理由は、この設計法が低層の壁式コンクリート構造を対象としたものであり、設計せん断応力度が比較的小さい部分の接合部のみを想定しているためである。そこで、架構式プレキャスト部材の接合部の打ち継ぎに適用できる新しい設計コンセプトが必要とされており、本研究では、高圧縮力と高せん断力が同時に作用する打ち継ぎ面を安全かつ合理的に設計するための手法の可能性を検討するため、打ち継ぎ面の一面せん断試験を行った。 結論 コンクリート打ち継ぎ面に種々の凹凸を設け、垂直応力を変えて、打ち継ぎ面の強度・せん断剛性・破壊モードのそれぞれの観点から一体打ちと同等になる応力条件を見出すことを目的として、合計61体の供試体の一面せん断・圧縮試験を行い、次の結論を得た。(1)圧縮応力と打ち継ぎ面のなす角度が一定値以上となると、たとえ打ち継ぎ面が介在していても強度・せん断剛性・破壊モードのすべてについて、一体打ちと同じとなることが確認された。(2)本報告の結果を利用して、プレキャストコンクリート接合部を打ち継ぎ面に作用するせん断力に対して強度で設計するのでなく、採用するそれぞれの打ち継ぎ面の処理方法に対して、圧縮応力と打ち継ぎ面の角度が一定値以上となるように制限する設計コンセプトを用いて、一体打ちに近い性能の部材となることを保証する設計手法は、充分可能性があるものと考えられる。 |
PDFファイル名 | 013-01-2109.pdf |