種別 | 論文 |
主題 | PCはりの曲げ挙動に与える鋼材の付着状態の影響に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 梅原秀哲(名古屋工業大学) |
連名者1 | 藤田宗寛(名古屋工業大学大学院) |
連名者2 | 上原匠(名古屋工業大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 2 |
先頭ページ | 695 |
末尾ページ | 700 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき ポストテンション方式のプレストレストコンクリート(以下PCと略記)では、PC鋼材の防錆ならびに鋼材と部材の一体化を目的として、鋼材とシース間の空隙にセメントペーストを注入するグラウト作業を行うのが一般的である。しかし、グラウト作業は繁雑で手間がかかるため、十分な信頼性をもって完了することが意外に困難な作業である。たとえば、実橋におけるグラウト充填状況の調査によれば、シース内に何らかの空隙箇所があった例も報告されている。このようにシース内に空隙が存在すると鋼材の付着状態が変化するため、完全にグラウトされている場合と異なった挙動を示す可能性がある。そこで、本研究では特にグラウト不良に着目し、鋼材径および鋼材の付着状態を変化させたPCはりについて静的載荷試験を行うとともに有限要素解析を行い、鋼材の付着状態がPCはりの曲げ挙動におよぼす影響を検討することを目的とする。 結論 本研究で得られた結果を要約すると以下のとおりである。1)試験結果と解析結果とを比較することにより、本研究で用いた解析プログラムで、シース内に空隙が存在している場合も含む、あらゆる鋼材の付着状態のPCはりについて、その曲げ挙動を十分な精度で推定できることが明らかとなった。2)PC鋼材とシース間の空隙にセメントペーストを注入しても必ずしもPC鋼材とコンクリートの付着は完全にはならず、PC綱材の径が大きくなるほど付着が低下することが試験および解析より明らかとなった。3)スパン中央のように大きなモーメントの作用する断面では、スパン長の20%程度の付着があればボンドPCはりの耐力を維持できるが、スパン長の30%程度の空隙があれば最大耐力がボンドとアンボンドの中間に低下するなど、鋼材の付着状態がPCはりの曲げ挙勒に大きく影響し、スパン端部のように作用するモーメントが小さい断面での付着状態はほとんど影響を与えないことが試験および解析より明らかとなった。したがってグラウチングの際には、スパン中央のように大きなモーメントの作用する断面では特に入念に注入しておく必要があると言えよう。 |
PDFファイル名 | 013-01-2117.pdf |