種別 | 論文 |
主題 | 逆T形埋設型枠にプレストレスを導入した合成床スラブの耐力とひびわれ |
副題 | |
筆頭著者 | 田中恭哉(富士ピー・エス) |
連名者1 | 小森清司(長埼大学) |
連名者2 | 永藤政敏(長埼大学) |
連名者3 | 近藤正治(長崎大学大学院) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 2 |
先頭ページ | 719 |
末尾ページ | 724 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに プレストレスを導入したPC板を埋設型枠に用いた合成床スラブは、ひびわれの防止や施工の省力化の面で通常のRC床スラブより優れた特性を有しているため、今日ではその用途も次第に広がり、施工実積が飛躍的に伸びてきている。しかし一面では、固定荷重の減量をはかりながら階高を出来るだけ縮め、その上、天井をフラットに仕上げたいと願う建物にとっては、PCの効果を最大限に活かすために付けられているリブ部がかえって障碍となることがある。このような悩みを解消するため、下面がフラットな逆T形のPC板にプレストレスを導入した埋設型枠を開発した。しかし、このような形状の型枠だと、施工時にスパンが長くなると、中央上端のコンクリートの圧縮域が不足し、コンクリートを打設することが難しくなる。しかし、仮設時だけでもスパン中央を仮にサポートすることができればその点は解決できることになる。本報は、このような考えに基づいて開発した合成床スラブに対して短期載荷実験を行い、埋設型枠として用いる単一板や合成床スラブの耐力・変形性状、ひびわれ破壊性状を調査し、これらが、施工時にはスパン中央をサポートした型枠として、また現場打ちコンクリート打設後は中間サポートなしの合成床スラブとして十分な性能を発揮し実用に供しうるかどうかを検討したものである。 結び 今回の実験結果より次のことがわかった。(1)P〜δ関係からもわかるように曲げ型試験体はいずれも靭性のある曲げ性状を示し、スラブ上面のコンクリートの圧壊によって終局に至っている。また、その時のスパン中央たわみは8cmに達している。(2)ひびわれ発生荷重は、施工時を想定したPR-1、使用状態を想定したPRCS-1とも計算値を上回っている。(3)最大荷重については各試験体共計算値より若干大きな値を示している。(4)床スラブのスパン中央断面におけるひずみ分布状況からわかるように、終局耐力の1/2以内の荷重時であればほぼ直線的な分布を示し、平面保持の法則か成立することから全断面有効と考えられる。(5)逆T形PC板と現場打ちコンクリートとの一体性については、打継面での粗面仕上げが有効に働き、ずれ量の測定結果からもわかるように各試験体共8cmを越える終局の過大たわみ時にあってもずれの徴候はみられず一体化が確認された。(6)プレストレスを導入した逆T形の埋設型枠は、このままでは長スパンに用いることは難しいが、施工時だけ中間点をサポートする方式をとれば十分実用に供することがわかった。 |
PDFファイル名 | 013-01-2121.pdf |