種別 論文
主題 FRP緊張材を用いたプレストレストコンクリート梁の曲げ終局限界状態について
副題
筆頭著者 中井裕司(住友建設)
連名者1 迎邦博(住友建設)
連名者2 浅井洋(住友建設)
連名者3 熊谷紳一郎(住友建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 749
末尾ページ 754
年度 1991
要旨 まえがき
著者らは、高い引張強度、非磁性、非電導性、高い耐蝕牲などのFRP材料の特性およびコストを鑑み、FRP材料をプレストレスコンクリートの緊張材(以下FRP緊張材)に適用する研究を中心に進めてきた。本論では、設計上の課題の一つとして残されている曲げ終局限界状態について述べる。FRP緊張材を用いた部材の曲げ性状は、ほぼ従来の曲げ理論に従うことが実験的に明らかにされている。そして、曲げ終局破壊性状は、FRP緊張材の破断、もしくは、コンクリートの圧縮破壊で規定され、急激な破壊に至る可能性を指摘している。さらに、あるFRP緊張材を利用したPC橋梁で曲げ終局限界状態の設計においてFRP緊張材を破断させず、コンクリートの圧縮破壊に導く試設計例、および、設計思想が報告されている。しかし、従来の弾塑性材料の緊張材を対象とした設計思想を踏襲したかたちで、これまで、コンクリート構造物の急激な破壊と規定されていた緊張材の降伏を伴わないコンクリートの圧縮破壊を完全弾性緊張材の曲げ終局限界状態とすることは、破壊の予見、構造物の破壊エネルギーの吸収能力を勘案すると無理があると思われる。そこで著者らは、緊張材として弾塑性材料であるPC鋼材と完全弾性材料であるFRP緊張材を用いた場合におけるプレストレストコンクリート梁の終局曲げ性状についてシミュレーションを行い、FRP緊張材を用いた場合の各構成材の限界状態および部材の破壊性状について考案し、曲げ終局限界状態についての一設計思想を提案する。
まとめ
FRP緊張材を用いた部材の曲げ終局限界状態の基本的性状を明らかにし、その設計思想を提案できた。1)AFRPロッド、PC鋼材を緊張材とした部材の最大曲げ耐力および曲げひび割れ後の部材の粘り強さは、ほぼ等しい。2)FRP緊張材を用いた部材の終局曲げ性状は、その使用状態の合理的な設計、経済性を考慮すれば、FRP緊張材の曲げ引張破壊形式を排除することは出来ない。3)FRP緊張材を用いた部材の終局曲げ設計においては、最大耐力以前のたわみ量に対する制限と、最大耐力以降の急激な破壊に対する設計上の配慮が必要である。
PDFファイル名 013-01-2126.pdf


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