| 種別 | 論文 |
| 主題 | スティールファイバーを添加した拡底型樹脂アンカーのせん断に関する実験的研究 |
| 副題 | |
| 筆頭著者 | 秋山友昭（東京ソイルリサーチ） |
| 連名者1 | 山本泰稔（芝浦工業大学） |
| 連名者2 | 広沢雅也（建設省） |
| 連名者3 | 竹内正博（産機興業） |
| 連名者4 | |
| 連名者5 | |
| キーワード | |
| 巻 | 13 |
| 号 | 2 |
| 先頭ページ | 929 |
| 末尾ページ | 934 |
| 年度 | 1991 |
| 要旨 | はじめに 耐震補強工事や建築構造部の増改築工事には、あと施工アンカー(以下、アンカーという)が主要接合部に用いられる。特に、耐震補強に用いられるアンカーには、主としてそのせん断抵抗が期待される。このアンカーとしては、従来から金属拡張アンカーが多用されてきたが、最近では樹脂アンカーも多く用いられるようになっており、今度改訂された耐震改修設計指針では、接着系アンカーとしてカプセル型樹脂アンカーが指針化されている。樹脂アンカーの引張りにおける抵抗機構は、コンクリートとアンカー周面樹脂との付着抵抗であり、せん断についでも樹脂アンカーが多数回の繰返しせん断力を受けた時には付着力の低下により、せん断抵抗性能の低下が懸念される。今度、従来からの樹脂アンカーに対して、アンカー固着力の強化を計るためにスティールファイバーを添加した樹脂アンカー、およびこれを拡底させ、くさび効果も期待させた樹脂アンカーが考案された。このような樹脂アンカーでは、従来のものに対して、引張性能の向上と共に、せん断性能の向上も期待されている。本実験は、これら樹脂アンカーについて、ファイバーの添加、拡底の有無によるせん断性能の違いを確かめることを主目的として行うものであるが、同時に樹脂アンカーのせん断性能に及ぼすアンカー埋込み長さ、加力方法、同時に加力するアンカー本数などの影響を確かめることも目的としている。 まとめ 主としてスティールファイバーを添加した拡底型樹脂アンカーのせん断実験を行った結果について、以下にまとめた。(1)ほとんどの摩擦なし試験体の破壊性状は母材コンクリートせん断破壊であった。また、最大荷重とその時の変形とに比較的大きな相関性が認められる。(2)最大荷重に対して次のような因子が影響している。a. せん断面におけるコンクリートとモルタルとの付着の影響は比較的大きく、特に埋込み長さが比較的短かい(5d)場合、最大荷重は付着効果が最大に発揮された変形の小さいところ(約2mm)で得られる。これに対して、埋込み長さを十分に長く採った場合(12d)には最大荷重は付着が切れた後の変形が比較的大きな所(約60mm)で得られる。なお、コンクリートとモルタルとの付着強度τ=7.5〜8.75kg/cm2程度と堆定される。b. 最大荷重に対して大きな影響を及ぼす因子はアンカー埋込み長さであるが、加力方法及び同時に試験するアンカー本数についても多少これに影響を及ぼす。c. 最大荷重に対して埋込み長さの短いところ(5d)でスティールファイバー添加の効果が多少認められる。(3)単体単調加力の場合の荷重―変形性状には、降伏荷重及びその後の剛性と、最大荷重時変形に多少埋込み長さによる差が見られるが、弾性剛性はほぼKl＝50t/cmで一定である。なお、埋込み長さ5dの降伏荷重は、アンカー筋の長期許容せん断耐力にほぼ相当する。 |
| PDFファイル名 | 013-01-2158.pdf |