種別 論文
主題 高軸力を受ける短柱の角形鋼管で被覆したX形配筋の合成柱の弾塑性性状
副題
筆頭著者 山本裕康(日本建設)
連名者1 佐々木良一(摂南大学)
連名者2 南宏一(福山大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
13
2
先頭ページ 969
末尾ページ 974
年度 1991
要旨 はじめに
鉄筋コンクリート短柱のぜい性的な破壊を防止するため、文献に示されるように高圧縮力に対してコンクリートの外周を角形鋼管で被覆した拘束効果と、高せん断力に対して、せん断補強筋を必要としないX形配筋のもつ効果を組み合わせて、高圧縮力と高せん断力に対して優れた性能をもつ構法を考案した。そして、この構法をもつ柱は、作用軸力比がn=0.6までであれば、被覆鋼管板厚が薄い場合においても、極めて安定した曲げ破壊による紡錘形の履歴曲線が得られ最大耐力以後の耐力劣化もみられないことが確認された。また、軸力比がn=1.0という高軸力下においては、被覆鋼管の板厚がある程度必要であり、実験を行った範囲では、幅厚比D/t=50程度以上の板厚が必要であると思われる。また、このような構法をもつ柱の終局耐力は、従来のアーチ機構い用いられる一様な圧縮場に対するモデルに、被覆鋼管による拘束効果を考慮することにより概ね評価できることが確認された。そこで、実験1として柱断面が口-300X300、柱長さ比η(=h/d h:柱長さ D:柱せい)=2の短柱においての曲げ・せん断実験と、実験2として終局耐力の評価で用いたモデルの妥当性の確認のための局部圧縮実験について、それぞれ10体および12体の試験体を作製し、実験的な検討を行った。本論文は、その内容を報告するものである。
むすび
高軸力と高せん断力を受ける鉄筋コンクリート柱に高性能をあたえる構法として、角形被覆鋼管と主筋のX形配筋を組み合わせることを提案しているが、本論文は、特に短柱とした場合の被覆鋼管の板厚と作用軸力を主たる実験変数とした。既往の研究では特に鋼管の板厚の与える影響は、平行配筋の場合、鋼管の板厚が薄くなるに従って、最大耐力以後の耐力劣化は急激となり剛性が維持できないが、X形配筋では、鋼管の板厚が薄い場合でも軸力比n=0.6までの範囲であれば、安定した紡錘形の履歴曲線が得られ、軸力比がn=1.0の高軸力下ではある程度の鋼管板厚が必要であることが示されており、今回の実験でも同様の結果が得られた。また、2つの実験を行った結果、仮定したモデルの妥当性が示され、このような構法の合成柱が曲げ・せん断力を受ける時の終局せん断耐力は、従来のアーチ機構に用いられる一様な圧縮場に対するモデルに、被覆鋼管による拘束効果を考慮して求められるQu2によってほぼ評価できることが示された。
PDFファイル名 013-01-2165.pdf


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