種別 | 報告 |
主題 | 積雪寒冷地における鉄筋コンクリート構造物への電気防食法の適用 |
副題 | |
筆頭著者 | 堺孝司(北海道開発局) |
連名者1 | 大越威 (北海道開発局) |
連名者2 | 峰松敏和(住友セメント) |
連名者3 | 川俣孝治(住友セメント) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 567 |
末尾ページ | 572 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき 近年、鋼材の腐食によるコンクリート構造物の劣化が、社会的にも大きな問題となっており、すでに、様々な補修工法が実施されている。これらの補修工法のうち、現在、最も一般的に実施されている断面修復やライニング方法等は、コンクリート中に塩化物が含まれる場合に生じる塩害による劣化に対しては、抜本的な対策としての信頼性に欠け、より確実な防食方法の開発が望まれている。最近、この塩害によるコンクリート構造物の劣化に対して、抜本的な対策となり得る可能性のある方法として電気防食法が検討されており、国内の状況を加味した有効性の検証が強く求められている。電気防食法は、米国やカナダの積雪寒冷地の凍結防止剤による塩害対策として、橋梁上面に施工された実績が最も多いが、我が国における積雪寒冷地(北海道)では、凍結防止剤の使用は比較的少なく、この種の被害は、橋梁下面に集中しており、飛来塩分による塩害が凍結融解作用によって促進されていると考えられる。これらの現状を踏まえ、我が国における積雪寒冷地のコンクリート構造物の劣化状況を考慮した電気防食法の適用に関する実験・研究を実施し、その効果と問題点を把握することとした。実験の内容は、1)電気防食を施した供試体による凍結融解試験、2)実環境における曝露実験、3)実構造物への適用実験、の3種類とし、また、防食方法としては、我が国において実構造物への適用事例を有する3種類の電気防食法を検討することとした。本報告は、これらの一連の研究のうち、実構造物への適用実験について述べるもので、チタンメッシュを陽極とする方式の施工状祝と通電調整試験およびこれまでに明らかとなった追跡試験の結果について報告する。 まとめ 我が国における積雪寒冷地の鉄筋コンクリート構造物を対象として電気防食法を適用するための一連の研究のうち、実構造物に対する施工とこれまでに判明した結果について述べたが、いまだ経過年数も短く、防食効果を十分に議論するまでには至っていない。しかし、本試験における結果に基づくと、電気防食法は、凍結融解抵抗性を十分に加味した材料および工法を採用することで、我が国における積雪寒冷地の劣化状況や環境に十分に対応できる防食効果と耐久性が得られると考えられる。今後、本施工例の追跡調査を継続するとともに、別途実施中の室内試験や暴露試験の結果も加味し、総合的に寒冷地における電気防食法を検討する計画である。 |
PDFファイル名 | 013-02-1095.pdf |