種別 | 報告 |
主題 | アルカリ骨材反応の抑制に関する研究報告 |
副題 | |
筆頭著者 | 樋口正典(三井建設) |
連名者1 | 林寿夫(三井建設) |
連名者2 | 山本則幸(東亜合成化学工業) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 745 |
末尾ページ | 750 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに 近年、コンクリートの早期劣化が顕在化し、その耐久性が問題視されつつある中で注目されているもののひとつにアルカリ骨材反応による劣化がある。そして、この劣化については今後の骨材事情、すなわち骨材の枯渇化により良質な骨材が入手しづらくなるなどの状況を考えると、より重大な問題に発展する可能性があると思われる。特に海岸地域のように常にアルカリ金属イオンが供給されるようなところでは深刻である。なお、アルカリ骨材反応にはアルカリ・シリカ反応、アルカリ炭酸塩岩反応、アルカリ・シリケート反応の3種類があるといわれているが、ここでは世界的に見ても、その大部分をしめるといわれているアルカリ・シリカ反応を対象として進めることとした。アルカリ・シリカ反応とは、硬化コンクリート内部における骨材中に含まれる反応性シリカと水酸化アルカリ(Na+、K+、OH-)を主成分とする細孔溶液との間の化学反応であり、その反応生成物であるゲルの吸水による膨張圧力によってコンクリートにひびわれが発生する。そして、このようなアルカリ・シリカ反応によるコンクリートの劣化を防止する対策のひとつとして、細孔溶液の水酸化アルカリ濃度の制御が考えられている。そこで、筆者らはコンクリートに無機系のイオン交換体を添加し、アルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンを交換、固定することによりアルカリ・シリカ反応を抑制することを考え、検討を行っている。ここでは、数種の無機系イオン交換体を用いて行ったモルタルバー法およびアルカリ溶液による試験の結果をもとに、その抑制効果およびメカニズムについて検討を行ったので、その結果について報告する。なお、本報文中で用いる”イオン交換”は全て陽イオン交換の意味であることを付記しておく。 まとめ 数種類の無機イオン交換体についてアルカリ・シリカ反応に対する抑制効果を検討した結果、含水酸化アンチモンにおいて良好な結果を得た。そして、アルカリ・シリカ反応の抑制において無機イオン交換体が要求される機能としては、Naイオンの選択的な交換および固定が重要であることもわかった。しかし、ここでのイオン交換能およびその選択性に関する評価は、各々NaOH水溶液およびCa(OH)2水溶液単独での評価であり、今後共存系での評価、また実際のモルタル細孔溶液での評価による確認が必要であると考える。また、焼成珪酸アルミニウムについても抑制効果を示したが、これはイオン交換体として機能したのではなく、シリカヒューム同様、反応性シリカ分の過剰効果(人為的なペシマム効果)によるものであることがわかった。 |
PDFファイル名 | 013-02-1129.pdf |