種別 報告
主題 微粒子セメント懸濁液グラウトによるひびわれ補修に関する基礎実験
副題
筆頭著者 西岡吉弘(熊谷組)
連名者1 坂口雄彦(熊谷組)
連名者2 伊藤洋(熊谷組)
連名者3 清水昭男(熊谷組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 917
末尾ページ 922
年度 1991
要旨 はじめに
コンクリート構造物では、ひびわれや打継目及びセパレータ部等、材料特性上あるいは施工上避け得ない止水欠陥が存在する。しかし、下水処理水槽、海洋構造物、廃棄物処分ピットなど水密性の要求される構造物においてこれらの止水欠陥をもれなく発見し、これを所定の機能(止水性)を満足するレベルまで補修することは容易なことではない。著者らは、新しいひびわれ等の補修・止水工法として、極低濃度の微粒子セメント懸濁液をコンクリートピット内に湛水し、ひびわれ等の止水欠陥部に漏水現象を利用して自然浸透させることにより、徐々にセメント微粒子をひびわれ面へ付着・拘留させて流路空隙を閉塞する工法を提案し、基礎実験を若干試みた。本研究では、人工的にひびわれを発生させた円柱供試体29体を用いて、微粒子セメント懸濁液の浸透・注入基礎実験を行った。その結果、本工法のひびわれ補修・止水効巣が基本的に確認されたのでここに報告する。
まとめ
得られた成果を整理すると以下のようになる。1)セメント粒子は、ひびわれ面内にほぼ均一に付着し、注入終了後常温で4週間水中養生したは、硬化して固結する。2)ひびわれ幅が0.3〜0.8mm程度であれば、漏水量を10-2〜10-3程度以下に低減することができる。3)漏水量は、注入後から、水浸後にかけてさらに10-1〜10-2程度低減する。4)ひびわれ幅が0.8mm程度以下であれば、換算透水係数は概ね10-4cm/s以下となる。5)濃度・注入圧力との関係では、顕著な差はないが、同一濃度の条件では圧力が高いものほど透水係数は小さくなり、同一圧力の条件では濃度の大きいものほど、透水係数は小さくなる傾向にある。結局、本工法により、幅0.3〜0.8mm程度のひびわれ止水欠陥においては、漏水量を1000分の1以下に低減させることが可能であることが示唆された。この範囲のひびわれ幅は、通常のコンクリート構造物に発生するひびわれに十分対応したものと考えられ、実用に供することができるものと考えられる。今後は、他の止水欠陥への適用やセメント微粒子の閉塞状態について、さらに研究を進めていくつもりである。なお、本実験は科学技術庁より放射性廃棄物処理処分技術開発促進費補助金を受け実施した研究の一部である。最後に、本実験に御協力いただいた(株)熊谷組豊川技術部松村哲夫氏、及び同原子力・エネルギー部西山勝栄氏に謝意を表します。
PDFファイル名 013-02-1159.pdf


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