種別 | 委員会報告 |
主題 | コンクリート構造物の靭性部材配筋詳細研究委員会報告 |
副題 | |
筆頭著者 | 加藤大介(新潟大学) |
連名者1 | |
連名者2 | |
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連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 2 |
先頭ページ | 11 |
末尾ページ | 18 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに 鉄筋コンクリート造構造物において終局強度型設計を行う場合には、非破壊領域において十分な強度を保有させることと、破壊領域において十分な靭性能を与えることが重要である。現在、この観点に立って、はり、注、橋脚および壁などの鉄筋コンクリート造部材の強度評価式および靭性評価式が提案されつつあるが、それらの評価式は部材における補強領域の平均的な値、すなわち、帯筋比や主筋比等により評価されることが多い。一方、既往の実験結果をみると主鉄筋の座屈や定着部からの抜け出し、柱危険断面における曲げ圧縮領域のコンクリートの拘束方法、付着破壊、および、継手長さ、途中定着等が部材としての耐力および靭性能に大きく影響している場合が多い。そこで、終局強度型設計を念頭におき、これらの配筋詳細が強度あるいは靭性能に及ばす影響を解明することを目的として、1988年7月に靭性部材配筋詳細研究委員会(以下、本委員会と略す)が発足し、1990年3月に終了した。本委員会では2年間にわたる活動の成果をまとめ、報告書をとりまとめた。報告書の内容は以下の通りである。1)曲げ挙動に対する配筋詳細の影響(圧縮部コンクリートの横拘束、主筋の座屈、はり柱接合部からの主筋の抜け出し、橋脚からの主筋の抜け出し)2)せん断と付着に対する配筋詳細の影響(部材のせん断と付着、接合部内のせん断と付着、橋脚の付着・割裂破壊、途中定着)3)部材の靭性に対する配筋詳細の影響(はり柱部材の靭性、耐震壁の靭性、橋脚の靭性)4)材料強度と靭性および寸法効果(寸法効果、土木構造物のコンクリート強度と軸力、建築構造物のコンクリート強度、建築構造物の鉄筋強度)さらに、本委員会では、研究を進めてきたコンクリート構造物の靭性と配筋方法に係わる問題について一般に広く討論を行う機会を得るために、1990年5月30日に「コンクリート構造物の靭性と配筋方法に関するJCIシンポジウム」を、東京・飯田橋の家の光ビルにおいて開催し、280名を越す参加人数を得た。本シンポジウムには圧縮コンクリートの拘束、主筋の座屈、主筋の抜け出し、せん断補強、付着・割裂、途中定着、靭性評価、等の内容に関する論文が応募され、最終的に当委員会により査読を経て27編の論文が発表された。以下に、本委員会でまとめた委員会報告の概要を紹介するが、靭性部材の配筋詳細に的を絞ったとはいえ、その内容は非常に多岐にわたっており、本報告ではその一部しか紹介できない。詳細は文献を参照されたい。 おわりに 構造物の靭性に依存する終局強度型設計法においては、部材の配筋の詳細を考慮して強度と変形能を評価することが重要となる。委員会では終局強度型設計法の体系の中で配筋詳細を考慮する手法を開発することを目標として2年間の活動を行ったが、その問題点および今後の展望がようやくみえた段階で活動を終了することとなった。現在、拘束コンクリート、主筋の座屈、主筋の抜け出し、および付着割裂破壊などの問題においては部材の配筋詳細をある程度合理的に考慮することができると考えられる。しかし、軸力、曲げおよびせん断を受ける部材レベルにおいて、特に、せん断強度の算定法の問題においては、配筋詳細の問題はほとんど未解決といってよく、今後の研究に期待するところが大きい。本委員会は靭性部材の配筋詳細に的を絞ったとはいえ、その内容は非常に多岐にわたっている。本報告で紹介できたのは、その極一部であり、委員会報告書およびシンポジウム論文集を参照し利用されることを重ねてお願いして、結語に代えさせていただく。 |
PDFファイル名 | 013-03-0003.pdf |