種別 | 招待講演 |
主題 | 低発熱コンクリート開発の現状 |
副題 | |
筆頭著者 | 加島聰(本州四国連絡橋公団) |
連名者1 | 野村直茂(本州四国連絡橋公団) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 1 |
末尾ページ | 6 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに マスコンクリート構造物の場合、セメントの水和熱に起因する温度ひびわれに対する制御は材料、設備、施工法によって実施されている。マスコンクリート用のセメントとして、ダムでは中庸熱セメントが約30年前から用いられ、大規模な橋梁基礎には高炉セメントB種が従来低発熱セメントとして用いられてきた。瀬戸大橋の吊橋基礎等には高炉セメントB種を用いて施工したが、その断熱温度上昇は約40℃である。コンクリート打設高と内部の最高温度は図-1に示すような相関関係があり、工程的に余裕のある場合は1回のコンクリート打設高を小さくして内部の最高温度を抑えた。しかし、工程に余裕がなく、夏場でも打設高を1.5m確保する場合は練混ぜ水を冷水とし、さらに氷と置換する事により打設温度を下げ、内部の最高温度を抑えた。経験的に内部最高温度を50℃以下に抑えると温度のひびわれを防止できる事から、夏場には最大60%の氷を混入した。コンクリート打設高が大きくなるに従って内部温度は断熱温度状態に近づく。打設高を2mとした場合の温度上昇量と必要プレクーリング量の関係は図-2のようになる。従来用いてきた高炉セメントB種の場合、25℃のプレクーリングが必要となり(冷水+氷)によるプレクーリングの範囲を越え、特殊なクーリング法が必要になる。これに対して低発熱セメントを使用して断熱温度上昇量を低減する事ができれば、従来の(冷水+氷)によるプレクーリングで十分となる。低発熱セメントは各セメントメーカーによって開発され、現在施工中の明石海峡大橋(全体のコンクリート量:約140万m3)等の吊橋基礎にも用いられている。ここでは橋梁用マスコンクリートにおける低発熱コンクリート開発の現状についてまとめている。 おわりに マスコンクリートの温度ひびわれを制御するために低発熱セメントが開発され、効果的である。この低発熱セメントはポルトランドセメント、スラグとフライアッシュを混合したものであるため、普通セメントに比べて強度発現が遅く、中性化も速いので使用については十分な検討が必要である。将来、それらも改良した低発熱セメントを開発される事が望まれる。 |
PDFファイル名 | 013-04-0001.pdf |