種別 論文
主題 三成分系低発熱セメントを用いた高流動コンクリートの基礎的性質
副題
筆頭著者 十河茂幸(大林組)
連名者1 近松竜一(大林組)
連名者2 金沢克義(本州四国連絡橋公団)
連名者3 古屋信明(本州四国連絡橋公団)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 33
末尾ページ 38
年度 1992
要旨
完成後には世界最大の吊橋となる明石海峡大橋では、ケーブルを固定するためのアンカレイジも過去にない最大規模の鉄筋マスコンクリート構造物となる。そのうえ、急速施工の必要性も加わり、温度ひびわれ対策の面からは極めて困難な条件になる。そのため、まずコンクリートの低発熱化に取り組むこととし、ここ数年来、低発熱セメントの研究を実施し、一応の成果を見るに至った。一方、コンクリート工事の省力化あるいは合理化の観点から、流動性に優れ、締固めの労力を軽減できるコンクリートの研究がさかんに行われており、このようなコンクリートは、熟練作業員の確保が困難で、なお作業時間の制約があるなかでの急速施工において、コンクリート工事の信頼性を向上させるものと考えられる。そこで、本研究では、高炉スラク微粉末およびフライアッシュを含む三成分系低発熱セメントを用い、マッシブな鉄筋コンクリート用として粗骨材の最大寸法を40mmとしたほとんど締固めを要さない高流動コンクリートを検討し、そのコンクリートの基礎的性質について、実験結果から得られた知見についてここに報告することにした。
結論
本研究の範囲内で得られた知見を以下に示す。1)最大寸法40mmの骨材を用い、単位セメント量が260kg/m3と少ないマスコンクリート配合においても、石灰石粉末と高性能AE減水剤を適切に用いることにより、低発熱型高流動コンクリートの製造が可能である。2)フレッシュコンクリートの粘性は、単位水量の変動のみならず、用いる高性能AE減水剤の種類によっても大きく左右される。同一水量で比較した場合、ナフタリン系よりもポリカルボン酸系の方が粘性が小さくなる傾向にある。3)三成分系低発熱セメントを用いた場合のブリージンクおよび凝結性状は、高性能AE減水剤の種類の影響を多大に受け、ポリカルボン酸系に比べてナフタリン系の方が凝結が遅延し、ブリージンクが増大する傾向にある。4)単位水量、セメント量を一定とし、水セメント比が同一の配合であっても、石灰石粉末と高性能AE減水剤を多量に用いた高流動配合では、従来配合に比べて圧縮強度の増進効果が認められる。また、この強度増進の割合は高性能AE減水剤の種類によっても相違する。これらの効果は、石粉および減水剤の使用に起因した結合材粒子の分散性の相違による可能性が極めて大きい。
PDFファイル名 014-01-1002.pdf


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