種別 | 論文 |
主題 | 二成分系低発熱型高流動コンクリートの実用化研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 有馬勇(本州四国連絡橋公団) |
連名者1 | 金沢克義(本州四国連絡橋公団) |
連名者2 | 佐藤孝一(熊谷組) |
連名者3 | 桜井重英(熊谷組) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 63 |
末尾ページ | 68 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに 表題の高流動コンクリートは、コンクリート総打設量約25万m3の明石海峡大橋4Aアンカレイジを適用対象としたもので、実施工時には鉄筋、ケーブルアンカーフレームなどの鋼材が多量に配置された部分にも確実にコンクリートを充填するとともに、1日の平均打設量約1900m3と大量のコンクリートを打設することが必要とされる。これらの施工上の要件を満たすための方策として、締固めを大幅に軽減することができ、かつ、コンクリートの充填を可能とする高流動コンクリートの開発・採用が検討された。高流動コンクリートは、最近開発研究が活発に行われているハイパフォーマンスコンクリートの範疇に属するものであるが、開発に当たっては当該構造物に適用するための制約条件として、1)マスコンクリートの温度ひびわれ防止対策として低発熱型セメントを使用すること2)設計上の単位容積重量(2300kg/m3)を確保するため最大寸法40mmの粗骨材を使用する必要があること、などがあった。これらの条件は高流動コンクリートとして全く前例のないものであるが、流動性については高性能AE減水剤の適量使用により、また材料分離抵抗性については化学的に安定した高純度の石灰石粉を骨材の一部に代替添加することで高流動化を図った。今回開発した二成分系低発熱型高流動コンクリートの強度特性、耐久性、熱特性などの基礎物性については、本四公団が予め基準として定めた低発熱型セメント使用の従来型の普通コンクリート(以下べースコンクリートと呼ぶ)と同等以上の性能を有していることが確認されており、本論文では、実施工における当該構造物への適用性を検討するために行った模擬部材実験、実大部材実験の結果について報告する。 まとめ 本研究で得られた二成分系低発熱型高流動コンクリートの実用化に関する結論をまとめると以下のとおりである。1)当該高流動コンクリートは鉄筋、鉄骨などが密に配置された部分においても、十分な流動性、充填性を確保しており、鉄骨が障害物となっている部位の前後でも流動勾配の変化は見られない。2)高流動コンクリートはベースコンクリートに比べコアサンプルの粗骨材面積率のばらつきは小さく、鉄筋、鉄骨などの障害物を通過して流動した場合でも、十分な材料分離抵抗性を保持している。3)コア圧縮強度はべースコンクリートに比べ高流動コンクリートの方が16%程度高く、ばらつきも小さい。4)鉛直方向、水平方向のコア直接引張強度の差は小さく、コンクリートを層状に流動させることによる異方性は認められない。これらの結果より、二成分系低発熱型高流動コンクリートが実施工において十分適用可能であることが確認された。 |
PDFファイル名 | 014-01-1007.pdf |