種別 論文
主題 普通強度フローイングコンクリートの調合・流動性・強度・収縮に関する実験研究
副題
筆頭著者 笠井芳夫(日本大学)
連名者1 平石信也(山宗化学)
連名者2 飛内圭之(三菱マテリアル)
連名者3 長田浩治(山陽国策パルプ)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 79
末尾ページ 84
年度 1992
要旨 はじめに
建築に用いられる軟練りコンクリートの歴史は古く、スランプ24cmのコンクリートを用いた歴史的経緯がある。軟練りコンクリートは、流動性が高く、締固めが容易で、柱・梁の仕口など複雑な部分に流し込みやすく、す・豆板等が生じにくい。近年、良質骨材の枯渇と、コンクリートの耐久性向上のため、1986年改定のJASS5においては、スランプ18cm以下、単位水量185kg/m3以下とするように定められた。その結果、コンクリートの打込・締固めに多くの労力を必要とするようになった。加うるに建設作業者の不足を背景として、最近、締固め不要コンクリートの報告がある。このコンクリートは、微粉末結合材の量を多くして高性能減水剤などを添加し、単位水量が少なく、充填性や流動性を高めている。しかし、温度ひびわれや、収縮・耐久性など長期における品質の安定性および経済性については、ほとんど明らかにされていない。本研究は、軽微な締固めを必要とし、建築に用いる普通強度(Fc=180kgf/cm2〜240kgf/cm2)の軟練りコンクリートを対象として、特殊混和剤を用いることにより1986年改定のJASS5の品質目標値を達成し、打込・締固めの労力を少なくしたフローイングコンクリートについて、調合・流動性・強度・収縮を主題として、実験研究を行ったものである。
まとめ
本研究は、従来、建築に用いられていた軟練りコンクリートを、新特殊混和剤を用いてフローイングコンクリートとして実現しようとするものである。調合・流動性・強度・収縮を主題として、実験的な検討を行った。今回の実験の範囲内で、次のことが明らかになった。1)フローイングコンクリートの調合設計は、特殊混和剤を用いることにより、JASS5 1957年改定版に示された標準調合表に準じ、表−5に示すような簡単な補正により行える。2)流動性の評価方法は、スランプとスランプフローおよびボックス試験(ボックス高さの差)を併用して評価するとよい。3)フローイングコンクリートの条件は、スランプ24〜26cm・スランプフロー50〜60cmおよびボックス高さの差8cm以下が適切と考えられる。4)圧縮強度・乾燥収縮は、特殊混和剤を用いないスランプ18cmのコンクリートと同等であった。今後は、フローイングコンクリートの凍結融解に対する抵抗性、促進中性化、実際の柱・梁・壁・床等を想定した実験を行い、調合設計方法・品質管理方法を確立したい。
PDFファイル名 014-01-1010.pdf


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