種別 | 論文 |
主題 | 逆打ち用ハイパフォーマンスコンクリートに関する基礎研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 北村八朗(大阪ガス) |
連名者1 | 西崎丈能(大阪ガス) |
連名者2 | 鎌田文男(大林組) |
連名者3 | 十河茂幸(大林組) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 101 |
末尾ページ | 106 |
年度 | 1992 |
要旨 | 序 施工システムの合理化、省力化をはかり、建設工事の近代化を推進させるコンクリート技術として、全く締固めを要しないで型わくの隅々まで充填され、材令初期における収縮が少なく、硬化後の性質も良好な信頼性の高い「ハイパフォーマンスコンクリート」が東京大学土木工学科コンクリート研究室において研究・開発されている。大阪ガス泉北製造所第二工場において現在建設中のPCLNGタンクの防液堤には、内槽工事のために仮設開口部が設けられ、この開口部の閉塞は逆打ちコンクリート施工となる。また、コンクリートの打設に先立って内面が鋼製ライナにより締切られること、さらに、配筋が比較的密な上、円周・鉛直方向のPCテンドン用シースも配置されていることから、十分な締固めを行うことが困難な条件にある。そこで、筆者らは、このような施工条件下で信頼性の高いコンクリートを打設するために、ハイパフォーマンスコンクリートの適用を計画し、逆打ちコンクリートとして適切な収縮補償性能を付与し、逆打ち水平打継目の一体化が図れるハイパフォーマンスコンクリートを目指して実験的研究を行った。本報告は、その基礎的実験結果についてとりまとめたものである。 まとめ 現在、乾燥収縮特性をはじめ耐久性に関する各種データを集積中であり、今後は、これらの結果も踏まえて、信頼性の高い逆打ちコンクリートの材料・配合を選定する予定である。本論文の範囲内で明らかになった事項を以下に示す。1)鉄筋が密に配置された状況下において、コンクリートの充填性を確保するためには、鉄筋のあきに対応した配合上の粗骨材量の限界値が存在する。最大寸法が20mmの骨材を用い、単位微粉末量170L/ m3以上、スランプフロー55cm以上とした場合、あきが50×50mmの鉄筋メッシュを完全に通過させるための単位粗骨材容積の上限値は約300L/ m3程度である。2)開口間隔や開口率を考慮した鉄筋メッシュ通過試験は、コンクリートの充填性の評価管理手法として十分に適用できる。3)逆打ち水平打継目の一体性を確保・向上させるためには、極く初期の収縮を補償する目的でAL粉末の使用が望ましい。4)収縮補償により打継目の付着を改善するためには、膨張材および収縮低減剤の併用が望ましい。ただし、この場合、外部への水分の逸散がない密封状態においても、材令の経過に伴って膨張率が低下する傾向が認められ、この点に関してはさらに検討する必要がある。 |
PDFファイル名 | 014-01-1014.pdf |