種別 | 論文 |
主題 | NaCl溶液中におけるオパール含有モルタルの膨張挙動と細孔溶液の組成 |
副題 | |
筆頭著者 | 川村満紀(金沢大学) |
連名者1 | 杉山彰徳(金沢大学大学院) |
連名者2 | 竹内勝信(金沢大学大学院) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 195 |
末尾ページ | 200 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに NaClが外部より供給される環境下においては、反応性骨材を含有するモルタルやコンクリートの膨張が助長されることが指摘されてきた。最近、38℃において約一年間1NNaCl溶液に浸漬したオパール含有モルタルにおいて、比較的多量の塩化物含有エトリンジャイトおよびフリーデル氏塩が存在することが明らかにされている。しかし、現在そのようなエトリンジャイトの生成がNaCl溶液中におけるモルタルの膨張に関係しているか否かについては不明である。一方、融氷剤としてNaClを使用するとアルカリシリカ反応によるコンクリートの劣化に重大な影響をおよぼすことが指摘されてきた。また、西林らは、アルカリ含有量の高いコンクリートにおいては、海水中でアルカリシリカ反応による膨張が助長されることを明らかにしている。しかし、実際のコンクリート構造物において、海水がアルカリシリカ反応によるコンクリートの劣化に影響をおよぼすか否かについては明確ではない。このような現状においては、外部よりNaClや海水が供給される条件下において、反応性骨材を含有するモルタルの膨張が助長されるメカニズムを明らかにすることが重要である。本論文は、1N、3Nおよび飽和NaCl溶液に浸漬したオパール含有モルタルの膨張挙動を明らかにするとともに、その結果と細孔溶液中のOH-やCl-イオン濃度およびモルタルのCa(OH)2含有量の経時変化を関連づけることによって、NaCl溶液中におけるオパール含有モルタルの膨張のメカニズムについて検討したものである。 結論 NaCl溶液中においてオパール含有モルタルが非常に大きな膨張を示すメカニズムを明らかにするために、NaCl溶液中における種々のアルカリ含有量をもつモルタルの膨張挙動とそれらの細孔溶液の組成との関係について検討した結果をまとめると以下のようである。1)NaCl溶液中におけるオパール含有モルタルの膨張はモルタルのアルカリ/オパール比に対して極めて敏感である。2)比較的小さいアルカリ/オパール比をもつモルタルにおいては、NaCl溶液の濃度は膨張量に大きな影響をおよぼす。しかし、アルカリ/オパール比が大きい範囲においては、NaCl溶液の濃度の膨張量におよぼす影響は小さい。3)少なくともアルカリ/オパール比=0.15のモルタルおいては、1NNaCl溶液に浸漬後14日と62日との間においてCl-イオンを消費し、OH-イオンを放出するような反応が生じているようである。4)いずれのアルカリ/オパール比のモルタルにおいても、1NNaCl浸漬中にモルタル内部においてかなり多量のCa(OH)2が消費される。 |
PDFファイル名 | 014-01-1030.pdf |