種別 論文
主題 アルカリ骨材反応によるコンクリートの膨張抑制に対する高炉スラグの効果
副題
筆頭著者 王鉄成(鳥取大学)
連名者1 西林新蔵(鳥取大学)
連名者2 林昭富(烏取大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 207
末尾ページ 212
年度 1992
要旨 はじめに
アルカリ骨材反応によるコンクリートの劣化防止の一つとして、スラグ含有量の多い高炉セメントを使用することが提案され、事実この方法は極めて効果的であることが多くの研究で明らかにされてきている。日本では、生産量の多い高炉スラグ微粉末をそのままコンクリートに混和して、反応性骨材を使用したコンクリートのアルカリシリカ反応(ASR)を効果的に抑制することが可能かどうかが研究対象となっている。これまでの高炉スラグ微粉末の利用によるASR抑制効果についての研究は、主としてモルタルバーによる試験の結果を基にして検討されたものであり、より実際に近いコンクリート供試体による試験の結果によって、この問題が検討されているとはいえない。また、反応性成分の異なる骨材とスラグ置換率とを組合せた配合のコンクリートについての研究はあまり多くなく、その抑制効果に対する的確な評価方法が確立されていないのが現状である。
まとめ
1)高炉スラグの膨張抑制効果はアルカリ量が1.0%以上で、現われてくると考えられる。2)反応性骨材の混合割合により、膨張量は異なり、細骨材に反応性骨材を用いると、膨張量が大きくなる。また、その膨張量は反応性粗骨材の増加に伴って低減される。3)高炉スラグの膨張抑制効果は、セメントをスラグで置換することによるアルカリの希釈効果の他にスラグ固有の抑制効果のあることが、コンクリートの試験によって確認された。4)スラグによるアルカリの希釈効果を考慮した場合、スラグ置換率50%においては、反応性粗骨材では、セメント中のアルカリ量が(Na2O当量)1.8%以下で、反応性細骨材では、0.75%以下で十分な抑制効果が認められた。5)スラグ置換率50%における総アルカリ量の限界値は、反応性粗骨材を使用する場合には8.0kg/m3前後に、スラグ中のアルカリ量を考慮する場合には9.0kg/m3前後となる。一方、反応性細骨材を使用する場合には、総アルカリ量の限界値は4.0kg/m3前後、スラグ中のアルカリ量を考慮する場合には5.0kg/m3前後となる。以上、本実験で使用した反応性骨材による結果である。今後、反応性骨材の混合割合によるペシマム値の確定、高炉スラグ固有の抑制効果の機構の解明に向って研究を発展させていきたいと考えている。
PDFファイル名 014-01-1032.pdf


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