種別 論文
主題 再生骨材コンクリートの諸性質について
副題
筆頭著者 江本幸雄(福岡大学)
連名者1 大和竹史(福岡大学)
連名者2 添田政司(福岡大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
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先頭ページ 229
末尾ページ 234
年度 1992
要旨 はじめに
近年、構造物の老朽化や機能低下により解体されて出てくる建設廃材が増加しており、その処理方法が社会問題化している。強度的には半永久構造物と考えられていたコンクリート構造物も都市再開発や建て替えによる解体が増加しており、戦後、大量に建設されたコンクリート構造物の耐用年数を考えると今後益々増えることが予想される。コンクリート廃材は産業廃棄物として位置付けられているため指定地以外の投棄ができず、処理のための対策を早急に立てる必要に迫られている。一方、河川での骨材採取規制や環境問題による原石山の閉鎖などにより天然骨材の安定供給にかげりが見えている。このような背景のもとで、従来、産業廃棄物として処理されていたコンクリート廃材を再生処理し、再び道路路盤材やコンクリート骨材などの建設用骨材として有効利用を図ることは産業廃棄物の減少や資源のリサイクルになり極めて有意義なことである。本研究では、実際に建設廃材再生プラントから生産された再生骨材をコンクリートの粗骨材に使用することを目的に、再生骨材の物性を検討し、さらに、再生骨材を使用したコンクリートの諸性質について検討を行なったものである。
まとめ
再生骨材の品質および再生骨材を用いたコンクリートの諸性質を検討した結果、次のことが明らかとなった。1)再生粗骨材はモルタル付着率が大きいため比重が小さく、吸水率、破砕値、すりへり減量および安定性の値が極めて大きい。2)十分なプレウエッチングを行なえば、再生粗骨材は普通砕石に比べて丸みを帯びているので、再生骨材混入率が増加しても単位水量は普通砕石コンクリートと変わらない。3)再生骨材コンクリートのブリージング率は再生骨材混入率の増加とともに減少する。4)100%再生粗骨材を用いたコンクリートの強度および静弾性係数は普通コンクリートより2割程度小さい。5)水密性は再生骨材混入率50%までは普通砕石コンクリートと大差はない。6)100%再生粗骨材を用いたコンクリートの乾燥収縮は普通砕石コンクリートの場合よりも2×10-4程度大きい。7)再生骨材コンクリートのクリープ係数は普通砕石コンクリートより若干小さい。以上のことから、再生骨材を多量に使用したコンクリートは普通砕石を用いたものに比べて強度、水密性、乾燥収縮などの諸性質はやや低下する傾向が認められるが、再生骨材の品質やコンクリートの種類に応じて再生骨材混入率を適切に選び,普通砕石コンクリートより水セメント比を下げるか単位セメント量を増すことにより強度を同程度に保てば、強度以外の性質もかなり改善されると考えられる。また、これまで実施してきた耐凍害性試験などの結果を考慮すると再生骨材の混入率が30%程度であれば実用上普通コンクリートと同等に扱っても差し支えないと考えられる。
PDFファイル名 014-01-1036.pdf


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