種別 論文
主題 RCDコンクリートの特性に及ぼすフライアッシュ置換率の影響
副題
筆頭著者 馬場道隆(北海道開発局)
連名者1 堺孝司(北海道開発局)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
1
先頭ページ 279
末尾ページ 284
年度 1992
要旨 まえがき
現在、わが国における重力式コンクリートダムの建設には、超硬練りコンクリートを振動ローラによって締固めるRCD工法が多く採用されている。RCD工法ではレア打設が行われることおよび貧配合超固練りのコンクリートが用いられることから、コンクリートの配合設計においては、発熱および締固めに特別な配慮が必要となる。コンクリートの発熱を抑制するための一般的な方法は、ベースセメントとして中庸熱ポルトランドセメントを用い、更にセメントの一部を混和材によって置換するものである。混和材としては、フライアッシュや高炉スラグが用いられてきたが、最近では石灰石微粉末に関する検討も行われ始めている。これまで、RCD用混和材としては、ほとんどの場合フライアッシュが用いられてきた。著者らが知る限りでは、北海道開発局が現在施工している札内川ダムが、RCDコンクリートの混和材として高炉スラグを用いた唯一の例である。RCDコンクリートにおけるセメントのフライアッシュ置換率は、これまでそのほとんどが20%および30%であった。フライアッシュの置換率が大きくなると、一般にコンクリートの発熱が抑制され、締固め効率がよくなり、初期における強度が小さくなることが考えられる。これまで、RCDコンクリートの締固めや配合に関する基礎的な研究が行われてきた。しかしながら、フライアッシュが高置換された場合のRCDコンクリートに関する研究は少ない。本研究の目的は、RCDコンクリートの締固め、発熱、および強度に及ぼすフライアッシュ置換率の影響について検討することである。また、比較のために、高炉スラグセメントを用いた場合およびRCD用混和剤を用いた場合に関する試験も行った。
まとめ
本試験によって得られた結果をまとめると、以下のとおりである。1)フライアッシュ置換率が増加するとVC値は減少する。この影響は、単位水量の増加とともに小さくなり、本試験の場合、単位水量98kg/m3ではほとんど影響が認められなくなる。2)VC値が最小となる最適s/aは、フライアッシュ置換率の影響を受けずほぼ一定である。3)RCDコンクリートの締固めにおいて、フライアッシュ置換率の増加によって、単位水量を減ずことが可能である。また、RCD用混和剤の減水効果は、AE減水剤よりも大きい。4)フライアッシュ30%およびスラグ55%の配合は、ほぼ同等の締固め特性を示す。5)フライアッシュ置換率が増加すると、圧縮強度は低下する。6)材令に伴う圧縮強度の増加率は、何れのフライアッシュ置換率の場合もほぼ同じである。7)スラグ55%の場合の圧縮強度は、フライアッシュ30%の場合よりも大きく、材令28日および91日において、その差は顕薯である。8)RCD用混和剤の圧縮強度への影響は、ほとんど認められない。9)フライアッシュ30%の場合の断熱温度上昇量は、45%の場合より約2.3℃大きくスラグ55%の場合より約1℃小さな結果となった。10)フライアッシュ高置換RCDコンクリートの実際の使用にあたっては、様々な観点からの更なる検討が必要である。
PDFファイル名 014-01-1045.pdf


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