種別 | 論文 |
主題 | シリカフュームと分級フライアッシュを用いた超高強度コンクリートの研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 丸山武彦(日本コンクリート工業) |
連名者1 | 伊東幸雄(日本コンクリート工業) |
連名者2 | 土田伸治(日本コンクリート工業) |
連名者3 | 金井孝夫(日本コンクリート工業) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 285 |
末尾ページ | 290 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに シリカフュームの平均粒径は0.1μmと非常に小さく、コンクリートの混和材として使用した場合、コンクリート中の微細な空隙を充填するマイクロフィラー効果、単位水量を減ずるベアリング効果、さらにポゾラン作用などが期待でき、コンクリートの耐久性改善や高強度化に有効な混和材として注目されている。筆者らも、既往の報告のようにシリカフュームを用いた超高強度コンクリートの物性および耐久性等の諸実験を行い、その有効性を確認している。このシリカフュームコンクリートのぺースト部分を微視的にとらえると、セメント粒子間に入り込んだシリカフュームのポゾラン反応および充填性により、コンクリートの細孔容積が減少し、細孔径分布も微細な径に移行することが確認されている。さらに、セメント粒子間の空隙を充填することに着目すると、セメント粒子径とシリカフューム粒子径の中間に位置する粒子を混入することにより、空隙はより効率的に充填されると思われる。その中間的粒子としては高炉スラグ微粉末および分級フライアッシュ等が考えられるが、形状が球形の分級フライアッシュを用いることにより、コンクリートの流動性確保や充填性およびポゾラン反応が期持される。本報告はシリカフュームと分級フライアッシュを用いた超高強度コンクリートの配合および強度に着目して、その有効性を検討したものである。 まとめ 本研究で行った実験の範囲の結果をまとめると次のようになる。1)本実験の練り混ぜ状態は、分級フライアッシュの置換率が低い配合では分級フライアッシュを用いないシリカフュームコンクリートと同程度であるが、分級フライアッシュの置換率が高い配合ではスコップが入り難く、非常に扱いづらい感じであった。2)シリカフュームの代わりに分級フライアッシュを20〜50%程度使用することにより単位水量が減少し、その減少量は5〜10kg/m3程度(水結合材比では1〜2%程度)となった。また、単位水量が最も少なくなる分級フライアッシュ置換率は異なり、単位セメント量および高性能減水剤添加率によって多少異なる結果を得た。3)分級フライアッシュをシリカフュームより置換することにより蒸気養生やAC養生等の促進養生した円柱供試体および遠心供試体の圧縮強度は低下した。一方、水中養生では分級フライアッシュの置換率を10〜25%程度とすることにより円柱供試体の圧縮強度は増加し、それ以上に置換率を増加させると圧縮強度が低下した。4)本実験の範囲の配合においては、高性能減水剤の添加率(3%、5%)および混和材(SF+FA)混入率(20%、30%)ともに圧縮強度に関しては有意となる結果は得られなかった。5)本実験のスランプ20cmのコンクリートでもブリージング水がほとんど出なく、材料分離もほとんどないと思われる非常に作業性の良いコンクリートであり、水中養生91日で1200kgf/cm2の超高強度が得られた。以上の結果から、分級フライアッシュをシリカフュームの一部として置き換えることにより、単位水量および水結合材比が低下すること、促進養生した直後の供試体の圧縮強度は低下するが、水中養生ではかえって増加することが分かった。したがって、適切な量の分級フラィアッシュをシリカフュームの一部として置き換えることは、コンクリート強度を増加させる一手段として有効であると判断され、また、コンクリート中の単位水量を低減することが出来ることやポゾラン効果の面からも耐久性においても有効に作用すると思われる。 |
PDFファイル名 | 014-01-1046.pdf |