種別 論文
主題 石灰石粉によるブリージングの低減がコンクリートの強度・耐久性に及ぼす影響
副題
筆頭著者 平田隆祥(大林組)
連名者1 竹田宣典(大林組)
連名者2 十河茂幸(大林組)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 309
末尾ページ 314
年度 1992
要旨 はじめに
ブリージングの発生は、沈下ひびわれ、粗骨材や鉄筋下面の間隙の増大による付着強度・水密性の低下、部材上下方向での強度差などコンクリートの品質および耐久性に影響を与えると考えられる。しかし、ブリージンクの量とその影響の定量的な関係は明らかにされておらず、コンクリート示方書や各種の基準にもブリージングに関する規定値は、明確に設けられていないのが現状である。一方、構造物が大型化する昨今、良質な骨材は減少の一途をたどり、微粒分の少ない海砂の使用等によっても、ブリージングは増大する傾向にある。本論文では、石粉の添加によりブリージングを抑制したコンクリートを用い、高さ1.8mの壁状モデルでの高さ方向のコンクリートの強度・耐久性・鉄筋の付着強度について調査し、ブリージング率がコンクリートの諸性質に及ぼす影響について検討を行った結果について述べる。
結論
本研究により明らかになった事項を以下に示す。1)本実験の範囲内では、ブリージング率が9%程度の場合、高さ1.8mの供試体では、高さ方向の強度の差は小さい。石粉によりブリージングを抑制した場合、高さ方向の強度の差は大きくなる傾向がある。上部にブリージング水がとどまらないようにするため、表面のこわばりを防止する様な打設中の養生に対する配慮が必要である。2)コンクリートの表面部分を除き、石粉を用いてブリージングを抑制した場合、ブリージング率が3%程度以上となると、遮塩性・凍結融解抵抗性および水密性が低下する傾向が得られた。3)乾燥収縮量は、壁状モデルではブリージング率による差は少なく、位置的には下部ほど少ない傾向が見られた。4)ブリージンクが多い場合は、水平に設置した鉄筋の下部には、コンクリートが付着していない部分が多くなり、鉄筋の引抜荷重が低下する。よって、鉄筋の付着に関してはブリージングは極力少なくするのが望ましい。下部の鉄筋はコンクリートの付着状態が良いため、上部の鉄筋に比べて付着強度が増大する傾向が見られた。以上のことより、ブリージンク率により、コンクリートの強度分布・耐久性および鉄筋の付着状態が異なることが確認できた。ブリージングがコンクリートの品質に及ぼす影響に関するデータをさらに集積し、コンクリートの要求品質に応じた、適切なブリージング率の規定値を設定することが望ましいと考えられる。ブリージング率の調整は、分離低減剤の使用、セメント・石粉・混和材等の粉体の混入量の増減により可能であるが、耐久性・強度等も考慮した上で、要求されるブリージング率に応じて、使用材料、添加量を決定することが適当であると考える。
PDFファイル名 014-01-1050.pdf


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