種別 | 論文 |
主題 | 超流動コンクリートの流動性と分離抵抗性に関する一考察 |
副題 | |
筆頭著者 | 近松竜一(大林組) |
連名者1 | 竹田宣典(大林組) |
連名者2 | 十河茂幸(大林組) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 381 |
末尾ページ | 386 |
年度 | 1992 |
要旨 | 序 近年、コンクリート工事における省力化・合理化を目的として、流動性に優れたコンクリート(以下、超流動コンクリートと呼称)に関する研究が活発に行われている。超流動コンクリートの重要な用途の一つとして、過密配筋下などの狭あいで締固めが困難な部位における充填性の向上が考えられる。この場合、充填性の良否は、部材形状・寸法、配筋状態および打設方法等の施工条件と、コンクリートの流動特性との兼合いによって評価されることはいうまでもない。ところが、コンクリートの充填性に及ぼす各種配合要因および流動特性の影響については不明な点も多い。著者らは、既に打込み・締固め作業における打設の容易さを左右するフレッシュコンクリートの特性について実験的検討を行い、打込みやすさは、均質な状態での流動性に関する広がり能力「変形ポテンシャル」および時聞的依存性「変形速度」と、流動に伴う「分離抵抗性」を併せて評価する必要のあること、また、変形ポテンシャルが大きくなるほど流動に伴う材料分離が生じやすくなる傾向にあることを明らかにした。しかし、充填性に着目した場合のコンクリートの閉塞と分離抵抗性の関係については未だ定量的な評価がなされていない。本論文は、流動特性の異なる各種配合のコンクリートを対象として、開口部の諸条件を変えた試験装置を用いた流下試験を実施した結果をもとに、開口間隔が小さく狭あいな部位への充填性に着目した場合の超流動コンクリートの流動性と分離抵抗性に関して考察を加えたものである。 結論 本研究において得られた知見を以下に示す。1)σ75ロート流下試験によって得られる流下時間は、コンクリート全体が均質に流下する場合には、変形ポテンシャルとは独立した粘性に起因する変形速度を評価する簡便な指標として用いることができ、流下時に骨材のアーチングが生じる場合には、流動に伴う分離の度合いを表現する尺度となる。2)過密配筋下でのコンクリートの充填性は、コンクリート配合中の粗骨材量が支配的な要因となり、流動に対する障害の程度が大きくなるほど、すなわち開口部間隔および開口率が小さい場合ほど、十分な充填性を確保するためには粗骨材量を減少させる必要がある。3)閉断面内を流下させた場合の骨材間のアーチングおよびそれに伴う閉塞現象は、同一の粗骨材量であっても、コンクリートの粘性によって大きく左右され、狭あいな断面を閉塞することなく流動させるためにはコンシステンシーに対応した塑性粘度の適値が存在する。4)コンクリートの充填性は、流動に対する障害の程度に左右される。したがって、コンクリートの閉塞・分離性状を評価する試験モデルは、実構造物での各種施工条件を踏まえて寸法諸元を設定する必要がある。 |
PDFファイル名 | 014-01-1063.pdf |