種別 論文
主題 超高強度コンクリートの調合に関する一考察
副題
筆頭著者 寺西浩司(前田建設工業)
連名者1 岸谷孝一(日本大学)
連名者2 江口清(前田建設工業)
連名者3 中込昭(前田建設工業)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 463
末尾ページ 468
年度 1992
要旨 まえがき
通常のコンクリートの調合設計においては、細骨材率は所要の品質が得られる範囲でできるだけ小さくするとされている。細骨材率は材料分離との関係によって検討する必要があるが、分離しているかどうかの判断はコンクリートの練上がり状態の目視など感覚的な判断に頼っている。超高強度、高強度域のコンクリートは、粘性が高い、高流動状態で用いられる等の特徴から、材料分離を通常のコンクリートと同様に経験的・感覚的に判断することは難しい。本研究では、超高強度コンクリートにおいて、適切な細骨材率を設定するための基礎的な資料を得ることを目的として、コンクリートの材料分離現象をモデル化した簡単な試験方法により定量的な分離性状の把握を試み、この試験により得られる分離指数vsとの関連をはじめとして、種々の細骨材率の検討を行った。また、超高強度コンクリート特有の混和材料として、強度を増す目的でシリカフュームが用いられることが多いが、このシリカフュームの置換量がコンクリートのフレッシュ性状、硬化性状にどの程度影響を及ぼすかは未だ十分には明らかにされていないため、シリカフュームの効果的な置換量についても合わせて検討を行った。
まとめ
本研究では、材料分離を定量的に把握するための模擬骨材沈下試験を試行し、超高強度コンクリートにおける適切な細骨材率とシリカフューム置換率の設定を目的として実験を実施した。本実験によって得られた知見は以下のとおりである。1)材料分離性状は、本研究で提案する模擬骨材沈下試験により定量的に測定でき、分離指数vsは材料分離の程度を表す指標として、分離抵抗係数Ksはモルタルと粗骨材の組み合わせのもつ分離特性値として有効である。2)低水結合材比の超高強度コンクリートの範囲では細骨材率と材料分離の相関は低いが、水結合材比が高くなるほど細骨材率が材料分離に与える影響が大きくなる。すなわち、高水結合材比では、細骨材率が小さくなるにつれて材料分離が生じやすくなる。3)水結合材比30%以下の超高強度コンクリートにおいて粘性を抑えるためには、シリカフュームを5〜10%程度混入することが有効であり、必要なシリカフュームの置換率は水結合材比が低くなるほど大きくなる。4)圧縮強度はシリカフュームを10%以上置換しても大きくは増加しないことも考え合わせ、シリカフュームが圧縮強度と粘性に効果的に作用する置換率を選定する必要がある。
PDFファイル名 014-01-1077.pdf


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