種別 論文
主題 超高強度コンクリートの微細構造および水和反応に及ぼす混練方法の影響
副題
筆頭著者 柿崎正義(鹿島建設)
連名者1 仁木孟伯(三菱マテリアル)
連名者2 今橋太一(三菱マテリアル)
連名者3 栩木隆(秩父セメント)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 469
末尾ページ 474
年度 1992
要旨 まえがき
近年、高性能減水剤の発達により高強度のコンクリートを得ることが容易となり、超高層鉄筋コンクリート造建築物では設計基準強度41〜47MPaの高強度現場打ちコンクリートが使われるようになってきた。また、シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末などの混和材を併用すれば、100MPa以上の超高強度のコンクリートを得ることも可能となり、ここ数年多くの研究がなされている。一般に、高強度や超高強度現場打ちコンクリートは通常のコンクリートに比べて単位セメント量が過大となり、施工性の改善を高性能減水剤の能力に大きく依存しているため、コンシステンシー(あるいはワーカビリチー)の性状が通常のコンクリートと異なる。また、練り混ぜ方法によっては、同一調合のコンクリートでも流動性や強度に違いを生じる場合もある。さらに、コンクリートの性状について、その微細構造や水和反応に関する研究も数多く実施されている。しかし、これらの結果は、通常のコンクリートを対象にした評価であり、超高強度コンクリートに関した研究はまだ少ない。本研究は、経済的で高品質な超高強度コンクリートを開発することを目的に、シリカフュームを混入したコンクリートの練り混ぜ方法・時間・速度等の要因が、その細孔構造、気泡組織、水和反応などに及ぼす影響を検討したものである。
まとめ
本研究の結果をまとめると以下の通りである。1)シリカフュームコンクリートの細孔量は、通常のコンクリートより小さい。有効細孔量は、材令7日でS法が小さく、材令28日で養生方法やS法、P法、M法の違いによる影響が少なく、材令91日でS法、P法、M法ともほぼ同程度である。また、有効細孔量と圧縮強度は負の相関関係があり、圧縮強度が100〜140MPaの有効細孔量は15〜25mm3/gである。2)細孔径分布は、全細孔量がほぼ同じ場合でも、練り混ぜ方法によって異なり、全細孔量が同程度の場合でも、小さい細孔径の細孔量が多いものほど圧縮強度は大きくなる。同一細孔量の場合、圧縮強度は練り混ぜM法が最も大きく、次いで練り混ぜS法、P法が小さい。3)気泡径分布は練り混ぜ方法によって顕著な違いが認められ、練り混ぜ時間が長く、高速(ミキサ回転数:80rpm)による練り混ぜほど気泡径10〜30μmの部分で増加している。4)走査型電子顕微鏡でコンクリートの組織を観察した結果、練り混ぜ方法の違いに拘らず、シリカフュームコンクリートは密実な水和組織である。5)超高強度コンクリートの示差熱分析では、練り混ぜ方法の違いによる影響は認められない。6)結合材の水和進行率から求まるコンクリートの有効結合材水比は、圧縮強度が100MPa程度の時2.9〜3.3となる。また、本実験結果は既往研究結果から求めた回帰式の延長線上にある。7)水結合材比0.25の水和進行率は、材令28日で0.74〜0.82となり、シリカフュームを混入しないものより大きい。8)コンクリート中の単位ペースト量当たりに残存する水酸化カルシウム(C/P)は、圧縮強度が94〜100MPaのとき13〜15%となり、練り混ぜ方法・時間・速度による違いが認められなかったが、その残存量が少ないほど圧縮強度は大きい傾向が認められる。
PDFファイル名 014-01-1078.pdf


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