種別 論文
主題 高強度コンクリートの破壊靭性に及ぼすポリマー混入の影響
副題
筆頭著者 橘高義典(宇都宮大学)
連名者1 上村克郎(宇都宮大学)
連名者2 中村成春(宇都宮大学大学院)
連名者3 小野正樹(宇都宮大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 481
末尾ページ 486
年度 1992
要旨 はじめに
コンクリート構造物の高強度化は、断面寸法を小さくするばかりでなく、自重の軽減にもつながり、構造物の合理的設計においてその効果は極めて大きい。しかし、圧縮強度の増大に伴いコンクリートの破壊は、脆牲的な傾向を示すことが指摘されており、強度の増加に加えて靭性の改善も大きな課題となっている。コンクリートの高靭性化のために繊維補強コンクリートあるいは、コンファインドコンクリート等の研究が多くなされているが、コンクリート素材自体の靭性の改善に関する研究例は少ない。近年、新素材を用いたセメント複合材料として、超微粒子ポリマーを混入したポリマーセメントコンクリートの適用性が検討されている。モルタルマトリックス中にポリマー微粒子を混入することにより、セメント粒子及び骨材がポリマー微粒子により架橋化されマトリックスの結合力と伸び能力が増加することが期待できる。このことは、高強度コンクリートの脆性化の改善にも応用できると思われるが、高強度域のコンクリートにポリマーディスパージョンを混入した研究例は少なく、詳細な検討はなされていない。本研究は、高強度コンクリートの強度性状および破壊靭性に及ぼすポリマー混入ならびに粗骨材種類の影響について、破壊力学手法を用い実験検討することを目的とする。
結論
高強度コンクリートの強度性状および破壊靭性に及ぼすポリマー混入の影響について検討した結果、本実験の範囲で以下が明らかになった。1)スランプに及ぼす影響は、高水セメント比ではポリマーの混入量を増すほどスランプは増加するが、低水セメント比では低下する。2)高強度コンクリートの圧縮強度は、ポリマーを混入することにより低下する傾向にあるが、粗骨材強度を増加させることにより強度低下は緩和される。3)高強度コンクリートの静弾性係数は、ポリマー混入により低下する傾向にある。4)高強度コンクリートの曲げ強度は、粗骨材が低強度の場合はポリマーを混入することにより低下傾向を示すが、粗骨材の強度を増加させると増加傾向を示す。5)高強度コンクリートの破壊エネルギーは、ポリマーを混入することにより増加するが、圧縮強度に応じた最適な混入量が有り、過混入では低下する。
PDFファイル名 014-01-1080.pdf


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