種別 | 論文 |
主題 | 超高強度コンクリートの物性に及ぼす施工条件の影響に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 鬼塚雅嗣(佐藤工業) |
連名者1 | 松尾忠(佐藤工業) |
連名者2 | 浦川和也(佐藤工業) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 505 |
末尾ページ | 510 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに 近年、Fc=600kgf/cm2以上の超高強度コンクリートを建築物等に利用したいとの要求が高まっている。このためには、選定したコンクリート材料および調合はもちろんのこと、コンクリートの製造・運搬・打込み・締固め・養生等の施工条件および施工時期が超高強度コンクリートを用いた構造体の物性に及ぼす影響を明らかにする必要がある。しかし、施工条件の観点から通常コンクリートや高強度コンクリートと比較しながら実験研究した例は少ない。そこで、本論文は、Fc=600〜800kgf/cm2レベルの超高強度コンクリート構造体の物性に及ぼす施工条件(コンクリートの製造・運搬・打込み・締固め・養生)および施工時期(冬期・夏期)の影響を明らかにするため、レデーミクストコンクリートを用いて行った実験結果を、同時に行なったFc=210kgf/cm2レベルの通常コンクリートやFc=420kgf/cm2レベルの高強度コンクリートと比較しながら検討したものである。 まとめ 超高強度コンクリートの物性に及ぼす施工条件の影響を、通常および高強度コンクリートと比較して行った実験の結果、以下のことが明らかになった。1)棒形振動機で、柱部材を締固めた場合の加速度とコア強度比(振動源からXcmの距離のコア強度/振動源のコア強度)には水結合材比にかかわらず一定の相関性があり、加速度の低下に伴いコア強度比も低下していた。この関係から、超高強度コンクリートの有効締固め範囲は、通常および高強度コンクリートと同様に棒径の10倍程度と考えて良い。2)超高強度コンクリートを打ち込んだ実大柱を締固める方法として、同時加振のB法では15秒程度加振すればさらに加振しても強度増進は認められず、A15法とB15法ではコア強度に大差なかった。したがって、超高強度コンクリートの締固め時間は、15秒が妥当であると考える。3)脱型時強度が100kgf/cm2を越える高強度・超高強度コンクリートでは、コア強度および中性化に及ぼすせき板の存置期間の影響は認められなかった。4)水結合材比37%(P37)の高強度コンクリートでは、打設面を養生しなくてもプラスチック収縮ひびわれは発生せず、養生したものとコア強度は大差なかった。しかし、水結合材比30%(P30)およびシリカフュームを内割10%混入した水結合材比25%(S25)の超高強度コンクリートでは、シート養生・湿布養生または被膜養生を行わないとひびわれが発生した。5)超高強度コンクリートを夏期に施工する場合には冬期に比べて・練上り温度および構造体内部の最高温度の影響で10〜20%の強度低下が認められるとともに、材令28日から91日までの強度増進が認められない。超高強度コンクリートの構造体強度管理用供試体の養生方法としては、構造体と同一温度履歴追従水中または封かん養生が妥当である。 |
PDFファイル名 | 014-01-1084.pdf |