種別 | 論文 |
主題 | 高強度コンクリートの構造体強度管理手法に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 三井健郎(竹中工務店) |
連名者1 | 米澤敏男(竹中工務店) |
連名者2 | 中島誠(竹中工務店) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 523 |
末尾ページ | 528 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに 一般のコンクリート構造物の構造体と強度管理用の供試体とは、養生条件が異なるため必ずしも強度発現条件が等しくならないが、現場水中または現場封緘養生供試体の強度は構造体強度の管理用として比較的妥当なものとされてきた。一方、高強度コンクリートは通常のコンクリートに比較して、単位セメント量が多いため、通常の建築構造物の柱、梁部材においても、マスコンクリートと同様に構造体内部での水和発熱に起因する温度上昇は非常に急激で最高温度も高い。従って高強度コンクリート構造体の強度発現性状は通常のコンクリート構造物とは大きく異なり、材令初期の急激な温度上昇のため、長期材令において管理用供試体に比較して強度が低下することが指摘されている。こうした養生条件を考慮して、部材と同様の温度履歴を供試体に与えて強度管理を行う部材温度追従手法は、構造体の強度に比較的近い値が得られるなどその妥当性が検討されている。部材温度履歴追従養生を行う期間は、通常、部材内部温度と外気温がほぼ等しくなる材令7日程度とされる。しかし、高強度コンクリートを用いる超高層集合住宅等の建築構造物の工事においてはタクト工程等により頻繁にコンクリート打設が行われるため、部材の温度履歴を再現する養生装置を構造体強度の管理用に用いるためには、打設日毎に異なる養生槽が必要となるため、この方法をそのまま実際の現場に適用することは非常に困難である。そこで本報告では、初期材令での急激な温度上昇履歴を受ける部材の強度管理の手段の一つである部材温度追従養生法について、追従養生を行う期間を短縮し、供試体を養生材令の早い時期に現場封緘養生に移行した場合のその後の材令の強度発現性状を把握し、現場に適用可能な簡便な強度管理手法の開発を目的とした短期追従養生方法の可能性について検討を行ったものである。 まとめ 材令の初期に急激な温度上昇による高温養生を受ける高強度コンクリート構造体強度の管理手法として追従養生期間を短くした短期追従養生について検討しだ結果、以下の点が明らかとなった。1)材令初期に高温の養生温度を受けた場合、その強度発現は現場封緘養生や標準養生と異なり、長期材令での強度の伸びが期待できず、積算温度による概念で管理することは困難である。2)部材温度履歴を完全に追従した養生は初期に急激な高温養生を受ける高強度コンクリート構造体の強度発現性状の違いをほぼ推定でき、構造体の強度管理手法として有効である。3)完全追従養生と短期追従養生を比較すると、部材の温度が最高点に達するまでの期間のほぼ1.5倍程度の短期追従養生を行うと両者の差はなくなる。したがって、完全追従養生期間を短縮した短期追従養生が、強度管理に適用可能と考えられる。短期追従養生は高強度コンクリートの構造体強度管理のための簡便で現実的な方法と考えられ、今後は更にデータを蓄積し、種々の条件下での最適な管理用供試体の養生方法について検討を進める予定である。 |
PDFファイル名 | 014-01-1087.pdf |