種別 論文
主題 コンクリート梁の曲げ疲労特性の切欠き深さ依存性
副題
筆頭著者 金子林爾(名城大学)
連名者1 大岸佐吉(名古屋工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 537
末尾ページ 542
年度 1992
要旨 はじめに
コンクリート梁の疲労強度特性に関しては、平滑材(無切欠き材)を対象に作用応力と破壊までの繰返し回数や疲労強度について多くの研究が行なわれているが、切欠き材の疲労強度や亀裂進展に関する研究は少ない。従って、コンクリート梁の切欠き比が疲労寿命に及ぼす影響を明らかにし、切欠き部の強度評価と亀裂進展挙動を解明することは重要な課題である。本研究は、コンクリート梁の曲げ疲労特性を明らかにすることを目的とし、平滑材と切欠き材の相対切欠き比が梁の疲労寿命に及ぼす影響を実験的に調べた。また、一定振幅における設定荷重と破壊までの繰返し回数、開口変位の増大変化、切欠き部の開口変位に基づく亀裂進展の状況、繰返し疲労による亀裂進展速度と応力拡大係数との関係を各荷重段階について検討することを試みた。
まとめ
コンクリート梁による一定荷重振幅(R=0.25)の曲げ疲労試験結果から、平滑材と切欠き材(a/w=0.13、0.27、0.4、0.53)のS-N関係、疲労強度の比較、疲労下の亀裂進展速度に及ぼす影響などについて得られた知見は以下のように結論づけられる。1)上下限荷重比がR=0.25における疲労強度の回帰式は次式で与えられる。平滑材の場合、Smax=0.968-0.054・logNf 切欠き材(a/w=0.13)の場合、Smax=0.968-0.055・logNf 切欠き材(a/w=0.27)の場合、Smax=0.983-0.046・logNf 切欠き材(a/w=0.40)の場合、Smax=1.0-0.044・logNf 切欠き材(a/w=0.53)の場合、Smax=0.998-0.048・logNf 2)繰返し回数200万回の曲げ疲労強度は、平滑材で終局強度の0.63倍、また切欠き材(上記4種類の切欠き比)で終局強度の0.63、0.69、0.72、0.7倍であった。この結果、切欠き比(a/w)が0.27以上で、平滑材よりも疲労強度が大となった。3)切欠き部からの亀裂進展は、ビデオカメラでの観察結果、繰返し回数の増加に対して連続的に進行することなく、漸増・停滞を繰り返し、突然離れた位置に亀裂が生成することもある。このことは表面観察で亀裂進展を知る方法では、不十分であることを意味する。4)切欠き材の疲労亀裂進展速度(da/dN)と応力拡大係数幅(△K)との間には、安定亀裂成長領域が存在し、Paris則が成立する。そして、設定荷重が大きいほどda/dN極小値は高くなる。5)Paris則で表示できる安定亀裂の進展速度は、図上でほぼ一定の勾配を示すが切欠き比によって若干の相違を示す。この勾配(定数)mは、a/w=0.4においてm=5.1と5.5、a/w=0.53に対してm=4.5と4.3である。
PDFファイル名 014-01-1090.pdf


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