種別 | 論文 |
主題 | 成長曲線によるコンクリート強度推定法の研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 吉田隆行(佐賀宇部コンクリート工業) |
連名者1 | 岡永健(佐賀宇部コンクリート工業) |
連名者2 | 御厨祐(佐賀宇部コンクリート工業) |
連名者3 | 大坪正典(東和大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 14 |
号 | 1 |
先頭ページ | 555 |
末尾ページ | 560 |
年度 | 1992 |
要旨 | はじめに 非破壊試験によるコンクリート強度推定法には、シュミットハンマー法、超音波速度法、これらの組み合わせ法等種々あるが、その中の一つに積算温度法(マチュリティ法)がある。この方法は、コンクリート強度の発現が養生温度と養生時間の積の関数で表されるという原理に従っている。実際に、寒中コンクリートの分野では水セメント比の決定、寒中コンクリートの期間の決定、初期養生の打ち切リ及び型枠の取りはずし時期の決定、任意の材令の強度推定などに利用されている。しかし、最近、この方法もいくつかの問題点があるとして洪らによって成長曲線の一つであるロジスティック曲線の導入がなされ、これらを解決できるようなコンクリートの強度推定式が提案されている。しかし、レデーミクストコンクリート(JISA5308)による標準養生(20±2℃)及び養生温度が日々変化する養生方法(構造体コンクリートの強度推定をするための養生法:現場水中養生)によるコンクリートの強度推定式は、まだ、提案されていない。そこで、本研究では、既報文献の温度条件とは異なる上記の方法により試験を行った。そして、得られた積算温度と圧縮強度の関係に対する成長曲線であるロジスティック曲線(変曲点を中心に左右対称)及びゴンペルツ曲線(変曲点を中心に左右対称ではない)の適用性を検討したものである。 まとめ 本研究は、積算温度方式による強度推定法として、成長曲線であるロジスティック曲線・ゴンペルツ曲線を応用して、その適用性を確かめることを目的として実験を行った。本研究の範囲内で得られた結果は、おおよそ次のようになる。1)ロジスティック曲線の相関係数は、全材令で0.978、材令28日までは0.987、また、ゴンペルツ曲線は、全材令で0.987、材令28日までは0.993と両方とも高い相関が得られた。この数字から判断すると、ゴンペルツ曲線はロジスティック曲線以上の相関を持つことがわかる。セメント別に見ると、104℃・H(材令約28日)以下では種類に関係なくゴンペルツ曲線の相関が特に良く、104℃・H以上になるとN及びBAはゴンペルツ曲線の相関が高く、BBではロジスティック曲線の相関がやや高い。2)N及びBAは、標準・現場水中養生の区別なく、一つの成長曲線で表すことができるが、BBは温度の影響を受けやすく、標準養生と現場水中養生の温度に差が出ると一つの成長曲線で表すことはできず、別の曲線が必要である。3)上記1)、2)のことから、各セメント、W/C、練り上がり温度(打設温度)別に積算温度と圧縮強度の関係を把握し、さらに、両曲線を使い分けていけば、十分、積算温度から圧縮強度を推定できるものと考えられる。今回の実験では、現場水中養生の平均水温(特に低温域)を日々の外気温度に依存した為、当初目標とした平均水温が得られなかった。今後は、目標とした平均水温が得られるように工夫したい。なお、今実験では超音波速度及び動弾性係数の測定も併せて行ったので、積算温度法に、これらを組み合わせた強度推定法についても検討を重ねていきたいと考えている。 |
PDFファイル名 | 014-01-1093.pdf |